藤白 圭

何度も何度も読み直しては、血よりも濃い二人の絆は、果たして、「愛情」であったのか、それとも「依存」であったのか。 それとも、互いが己の存在意義であり、己を救う「太陽」であったのか。 これは読んでいる側がどのようにでも捉えることが出来るけれど、本当の答えは二人にしか分からない。 それでも、二人は出会うべくして出会い、出会ったからこそ、「救われた」のだと信じたい。 逃れられない組織に所属した優しい男は、自分の「良心」を彼に見出し、自分の住む黒い世界や罪悪感から逃れるために少年を自分の世界に引き込んだ。 心優しい少年は、真っ黒な世界に住んでいながらも、心だけは穢れることなく、手だけを汚してしまった。 自分の存在意義を失った彼は、例え、男が自分自身の贖罪の為とはいえ、彼に「希望」を与えてくれたことで救われた。 そんな二人は、孤独で冷たい世界の中で、たった一つの寄り添える存在。 二人の男の「絆」を深く掘り下げたストーリーは、決して明るい話ではないし、決してHappyEndではないけれど、二人の心や魂が最終的に「救われた」んだと思えるラストに目頭が熱くなりました。 緊迫感溢れるシーンと、二人の感情の揺れや過去の出来事とのバランスもよく。 ミステリー的な妖しさを醸し出しながらも、ヒューマンドラマの要素があらゆる場面に張り巡らされ、胸にズンズン響きまくりました。 自分の大好きな映画でもある、「レオン」を観た時のような感動が読後、襲ってきました。 ここまで心にグッとくる作品が処女作だなんて。 作者様の文才に激しく嫉妬致します。 これからもlimeさんが綴る心の琴線に触れる作品を楽しみにしております。
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快紗瑠さん!! まさかこの『白昼夢』に、こんな素敵なレビューをもらえるなんて思ってもいなくて、ウルウルです。 設定にも甘さが有り、おまけに少女趣味な部分も多々あり。照れながらの更新でした。 それなのに、何度も丁寧に読んでくださったなんて! そして私が描きたかった部分を凄く的確に捉えてくださって感激です。 そう、この2人の間に合った絆は、愛情なのか依存なのか。 そのどちらでもあったのかもなあ……と、快紗瑠さんさんのレビューを読みながら、改めて思い起こしていました。 OEAのような集団を完全なる善だと思えずに、自分を誤魔化しながら生きる坂木には、陽の存在が唯一の心のよりどころだったのかも。
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いやいや!! 「白昼夢」 プロローグを再度読み直したり、本編も何度も読み直すことで、どんどん二人の「気持ち」にハマってしまいまして。 すんごく面白かったです。 最後が悲しいと捉えるべきか。 それとも幸せだと捉えるべきか。 表面的な部分ではなく、奥底にあるものを考えると、彼は自分に生きる価値を与えてくれた人の為に命を投げうったところで、微笑んだような気がしました←これはもう、自分の勝手な妄想ですけどね(苦笑) 友人の為に書かれた作品とのこと。 本当は自分ごときの稚拙な言葉なんかでレビューすべきかどうかをかなり悩みましたが、あまりにも感動してしまったものでして。 上手く纏められないものの、心

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