清水 誉

女と刺青、と言うとどこかエロティクなイメージがするのは谷崎潤一郎の「女郎蜘蛛」のせいだろう。 筋肉のつき方、脂肪の多さ、肌の弾力。 清水の様な屈強な男の肌に刻まれるそれと、まだうら若き女の柔肌に刻まれるそれは同じようで違う。 痛みから逃れるために時折顔をしかめる女の肌にノミを入れるのは、ちょっと興奮するなあと不謹慎な事を思ったりした。 ごく普通の女性の恵が辿る悲劇の元となる欲望は、誰もが胸に秘めているものなのだろう。 そこに付け込まれた彼女ですが、改めて読み返すと共鳴した部分がやはりあったのかも。 欲望を満たす為。 欲望を叶えてくれるモノを、お互いに呼びあったのでしょう。 それは伊織も然り。 業にかられた因果は、また同じ螺旋の元を繰り返す。 その果てを見届けたい欲にかられて、次の物語を待つ所存です。
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しみっつぁん! 拙作である白蛇を読破してくださっただけでなく、このような高尚なレビューまでくださるなんて……なんとお礼を申していいのやら…… 本編に重厚感を与えてくださる素敵な言葉の数々に、感動しております。 しかも、まさかのまさか! 谷崎潤一郎の名前が出てくるとは…… 自分自身、大正から昭和初期の純文学が大好きでして。 芥川、森、谷崎、井上、宮澤等の作品をこよなく愛しております故、そういった亡き巨匠たちの名前を出してくださっただけでも感無量だと言うのに、深い部分まで読み取ってくださったこと。 本当に感謝致します。 伊織自身の物語はまだ先になりますが、次の物語を待ってくださるというリップ
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