吉田 群青

吉田が本を読む動機は ①好奇心(自分の中に無い知識への欲求を惹起させられる) ②叙情(自分の中にある情感を喚起させられる) の二つに大別されるんですが、このお話は紛れもなく②です。 このお話、なんにも起きないお話。 でも最後まで飽きる暇もなくしみじみ読めました。 この手のお話を最後まで読ませてしまうには、作者の確かな筆力が必要になります。 こういう芸当が出来る作家さんは、本当に文を綴るという行為のなんたるかを理解しているんだと思います。 誰でも今まで生きてきた人生の中で、このお話の「猫」や「豆腐」に象徴される何かを心に持っていて、そして多分誰もこれを読み終わる頃には、それを想い出の奥底からそっと取り出してしまっているでしょう。 ダックさんが紡いだ小さくステキな物語の余韻に浸りながら、今日の晩酌はもちろん湯豆腐にします。
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うぉう…… なんだかずっしりと重みのあるレビューをありがとうございます。ありがたいお言葉感謝です!と素直に喜べるよう、精進していかねばと身が引き締まる思いです。 山も谷もオチもない話ですが、雰囲気を感じ取って頂けたなら幸いです。 ありがとうございました!

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