かおる

たった一人の相手を愛し続ける… 挙式で誓うように、それは素晴らしく美しいこと。そんな愛情を誰しも受けたいものだと願うでしょう。 けれど、それが悲劇の引き金に! 妻をこよなく愛し続けた男は、愛しすぎてしまったのでしょうか。 母の血を受けた娘に愛を注ぐことはできなかった。 何故なら、たとえそっくりに美しく成長してもそれは「妻」の分身。愛する「妻」ではない。 あれこれ望まず、よそ見も浮気もないと言う聞こえのいいまっすぐな愛は度を越して狂気さえ覚えます。 そして、この世でもっとも愛しい存在(妻)を奪った仇(娘)を果てまで憎み、精神までも徹底的に苛みながら生という地獄を味わわせていく様もこれまた狂気。 愛の反対語は無関心だという方もいますが、私はやはり愛憎表裏一体というように対になるものは憎悪だと思います。 プラスに働く関心が愛ならマイナスに働く関心が憎。 関心がなければ愛も憎しみも生まれないのだから。 愛というものは諸刃の剣なのでしょうか。 ここまで人を狂気に駆り立ててしまうとは…
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かおるさん。 四〇四号室を読んでくださっただけでなく、とても細やかな部分まで読んでくださったレビューまでありがとうございます。 愛が狂気へ。 いいえ。 愛は常に狂気を孕んでいるのかもしれません。 人の「心」は紙一重。 そんな恐怖を感じ取っていただけたとしたら、幸いです。 実はこの作品。 シリーズ化も考えておりまして。 いつかひょっこり違う号室の患者のエピソードを書いちゃうかもしれません(苦笑) いつも素敵なレビューをありがとうございます。

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