他人の作品語るのに他の作品の話持ってくるのはタブーだと思ってるんですけれども、ここは感じたまま… 宮崎駿の『風立ちぬ』主人公、堀越次郎。あれは一見、妻思いの凄くいい夫に見えるが、実はただただ『美しいもの』にしか興味のない、表とは裏腹に物凄く残酷な人物であると、僕は解釈してます。『愛してる』とは何があっても言わず、誉め言葉はいつも『綺麗だ』。病魔に侵されてだんだん綺麗でなくなっていく奥方より、最終的には『美しいもの』である飛行機を取ったがために、彼女の最後を看取ることをしなかった。てな具合にです。 睦月にはある種、そういう気配を感じました。冒頭だけ読んでれば、物凄く優しいお兄さん役です。葉月を善く育てるために、優しく接しながら導いている。 ところが、物語が終盤にかかるにつれて、だんだん気配が変わってきます。いや、気配は変わってないのか………人の顔をしていたものがだんだんアンドロイドの人工皮膚になっていく、というのか……。 結局大事なのは『葉月』ではなく『彼女』の存在だとか思想だとか思いだとか、そういうものにのみ限定されているのだということが明らかになって。 ラストの「僕らの葉月として生きてくれるかな」はもう完全に『葉月』の向こうにいる『彼女』が最優先項目であることを突きつけるものに思います。葉月の絶望感たるや、です。極端に言えば……研究所という檻の中にいて目の前にマッドサイエンティスト。もう選択肢はありません。 よくニュースで「普段は優しい子だったのに…」と言われる殺人犯を見ますが、人間の本物の狂気って善良そうな皮の中にこそ潜んでいるのではないかと、思います。睦月はなんかそんな感じに思いました。ある意味人間らしい、というか、人間の強烈な部分だけ残ってしまったアンドロイドなのかな、と… それはそうと、設定の緻密さにはまったくお手上げで月に向かってロケットパンチです(笑) 猫版魔女狩りってんですかね。最近インフルエンザで鳥が大量処分されましたが、ああいうの見てるとこういうのってフツーに起こってもおかしくねぇよなって思います。 ってか、人間相手でもやるんですもんねぇw リアリティーがありました。人間という生き物に対して残念な思いがあります。
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レビューをありがとうございました。 この話にでてくるガトウイルスは完全に私が想像で作ったものなのですが、バクテリオファージや最近話題になっていたジカ熱ウイルスを調べていたら実際に似たようなことが起こっているんです。 ジカ熱に感染すると、男性機能の低下が実際に見られるそうですよ。もちろんガトウイルスのように全てのものに感染するウイルスというのはないのですが。 よくあるウイルスものはゾンビのようになるのが多いですが、突然変異を繰り返していくことで静かに生物を絶滅に追いやっていくウイルスというのが現れてもおかしくはないのかなと思いました。 蜂が急に数を減らしているとかそういうニュースもありま

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