ありす

(応援) なにを見つめるのか、どこに重きを置くのか。 思えば、この世の中で一番の謎があるとしたら、それは自分自身。 自分を知り尽くしてさえいれば、この湧き上がる感情の正体も、出どころも、対処法もわかるでしょうに。 それが出来ないから、私たちは様々な葛藤に悶え苦しんでしまう。満ち足りたものを求めつつも、それは何か、どこにあるのかと自問自答を繰り返し。 作品内に流れる空気はとても柔らかで、内容も日常のシーンが多く、一見するととてもほのぼの。軽やかに読み進められます。 しかし、です。そんな優しい手ほどきに招かれてページをめくれば、チクチクとした小さな棘が作中にまんべんなく散らされていて、気づいた時にはもうびっしりと、こちらの心に刺さっています。 ミステリカテゴリの作品なだけに、作中には事件や不可思議な要素が多分に含まれ、その最たるものとしてアールという人物が描かれていますが、この無数の棘はそればかりが原因ではないでしょう。和やかな日常の隙間を突いて、幾度となく繰り返されるテーマがある。 それが如実になってくるのは、物語の後半部分。ミステリたる要素が、次第にアールから離れて主人公に移ります。 読者が投影する、いわば作品の中の自分自身がいつの間にか一番謎多き人物にすり替わっている。これは衝撃でした。 さらにラストにおいて、作者は最大の謎を読者に置いてゆきます。 「さあ、君ならどうだろう? どんな答えを見出すだろう?」 愛すること、愛されること。 幸せの代名詞とも言えるこれも、果たしてどうなのか。 抱きしめて愛おしむことだけが愛なのか。 気持ちを注ぎ、相手には何も求めないことか。それともすべてを欲し、支配したがることか。 慈しむことひとつにかけても、どれだけの枝葉に分かれることでしょう。 なにを見つめるのか。どこに重きを置くのか。 最後の謎解きは読んだひとりひとりが自身の価値観で解いていくしかありません。 優しい作風でいながら読了後に重く残るものを落としていく、そんな作者さまの筆の特徴が今回も素晴らしく発揮されており、堪能させていただきました。 最後に、表紙絵という形でこの作品に関われたことに感謝いたします。 どうもありがとうございました。
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ありす♪ちゃん、ありす♪ちゃん、ありす♪ちゃーん。 。・゜・(ノД`)・゜・。 こんなにも素晴らしいレビューをありがとうございます。 そんなに素晴らしい話じゃありませんよー。嬉しい、恥ずかしさでいっぱいです。 本当に本当に感謝してもしてもし足りません。 それもありす♪ちゃんの描いてくださった表紙のおかげです。たくさんの方に「素敵な表紙ですね」と褒めていただきました。 このレビューを宝物に、これからも頑張ります。 ありがとうございました! (T ^ T) ありす♪ちゃん、だいしゅきでしゅ。
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何とかレビューイベント期間中に間に合いました。 よかったぁ(*´∀`)-3 元気のないちーこさんへのプレゼントと知ったうえで読ませてもらっていたのですが 実をいうと、アールもレグバと同じ悪魔のひとりで、耕太へ揺さぶりをかけて試しているストーリーじゃないかと睨んでいたのです。 でも、私が思うより遥かにメッセージ性の強い作品でした。ものの見事に外れちゃった(ノ´∀`*) キリ番記念に描かせてもらったイラストを、こんな素敵な形で昇華していただけたのです。お礼を言うのはこちらのほうです。 本当に、ありがとうございました(*^ω^*) 狼歩さん節のきいた新たな作品、いつ来るかと心待ちにしています(
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