高校生が殺された。 その名前は坂崎賢人。 それは折しも、カメラマン倉田が2日前に出会った少年が名乗った名前と同じものだった――。 森の中をテンポよく歩いていると、勢いよく沼の中に引きずりこまれる感覚。ミステリーの出だしとしてはこの上ない。 けれど読み終わってみて、これは極上のミステリーであると同時に「魂が救われる物語」なのだと、強く感じました。 ヒリつくような環境の中、心を凍らせるように大人にならざるを得なかった少年と、閉塞感と孤独を感じる写真家と。世界が壊れて、違う自分にならざるを得なかった女と。 由希と倉田の出会いは、氷が溶けていくように、止まっていたゼンマイが再び巻かれていく様を思わせる。 ラストシーンの夕焼けは、人と人の絆の美しさやその強さをどこまでも照らしていく。 単なるミステリーに終わらない秀作。一気読みしました!とても面白かったです(*´ω`*)
2件・1件
またたびまるさん! 雨猫を読んでくださり、そして、こんな素敵なレビューを、本当にありがとうございました! もうずいぶん前に投稿した物語で、読んでくださる人もいなくなっていたのですが、こうやって感想をもらうと、また物語が息を吹き返してくれたような気がして、とっても嬉しいです。 私も久々に、ちらっと読み返してみたり(*´ω`) 完全なハッピーエンドではなく、問題も山積みなのですが、「魂が救われる物語」だと言ってくださった事が、本当にうれしいです。 無力なんだけど、必死で頑張って生きている人が好きで、そんな人たちがなにか、前を向く力を得られるような、そんな出会いを描きたかったんです。 とても重

/1ページ

1件