光姫 琥太郎

まず、このチームのレビュアー三人を一列に並べて座らせて叱責したい。 キミたちは一体なにをしているんだ、と。 タッスウはすごいヤツなのだ。 キミたちが今回、レビューで仕向けた方向性で物語を書かせればヤツは無類の力を発揮するのだ。このベクトルの中ではいくらハードルを上げようと、いや、ハードルを上げれば上げるほど、ヤツの存在感は会場中から割れんばかりのブーイングを浴びるヒールレスラーの如く輝きを増すのだ。 確かに難産だったろう。それは執筆期間と文字数が物語っている。だがヤツにとっては部屋の模様替え程度のもので、タンスの中身が存外に重かったとか、テレビの裏の配線が芸術的なまでにこんがらがっていたとか、そういった類の苦労はあれど、結局のところ最終的にはひとつのパッケージで上手いこと自分の世界を纏め上げてしまうのだ。 そして「今回はこんな感じになったけど、どうかな?」と、新たな部屋を背景にはにかむのだ。そういうヤツなのだ。「やっぱタッスウは凄いね」。そう言われて今年もまた、僕らの短い夏は終わるのだ。 なので敢えてもう一度、叱責しよう。 改めてそんなことを再認識させてどうするんだ、と。 まぁ、そんな感じでね。 申し遅れましたが光姫琥太郎です。 もはや非の打ち所はないでしょう。大変遺憾です。 最初は重いかなと思ったけど、中盤から謎解きに至るまでのスピード感と求心力はハンパないです。ヤバい。起承転結、その全てがヤバい。 あとはキーワードの打ち込み方かな。うまいよねぇ。「あぁ、そういえば!」「これはあの時の!」。読んでてね、何度もそう思えるシーンが出てくるでしょ?これ、キーワードが読者の脳に打ち込まれてるんですよ。しかも巧みに、さりげなく。 何気ない会話やワンシーンの中で使ったセリフや言葉をここぞって時にもう一度引っ張り出してきて、読者をニヤリとさせたり、ハラハラドキドキさせたりする。たとえそれが本当に何の変哲もない言葉だったとしても、印象に残る出しかたをするから何となく覚えてしまってるんですよね。これはもうセンスという他ないです。 ま、あまり長々と書いてても褒めることしかないのでこの辺で。 ムダに叱責してたがゆえに残り文字数も少ないですし。 最後に、再び三名のレビュアーの方々へ。 なんだかんだいって、またひとつ素晴らしい作品が産まれたきっかけを作ってくださったことに、心からグッジョブ。
5件

この投稿に対するコメントはありません