柴谷 潤

この世の中に愛してはいけない人なんていない、と思っています。 しかし、主人公・理佐が傷心旅行中のヨーロッパで出会った怜はもしかして「愛してはいけない人」だったのか。 そんな謎と「もう一度彼に会いたい」という理佐の強い強い思いにひきずられて、長い旅を一緒に続けてきました。 アンダルシアでの夢のように始まったものの、パリを経て東京に帰ってからは理佐にとっては厳しい「社会生活」が始まり、彼女が壁にぶつかる度にはらはらと胸を痛めたものです。 しかし「組合活動」をこんなに掘り下げたお話もなかなかありません。そういう意味でもリアリティーに長けているなあ、と思わされます。 怜の葛藤と煩悶と苦悩。そしてそれを救う理佐の明るさと素直さと強さ。不器用な2人をつい助けてしまう、周りの「よき人たち」。 そんなキャラクターの素晴らしさも、物語を厚みのある、さらに暖かいものにしてくれているのだと思います。 終わってしまうことが寂しくて、そして悲しかったです。またいつか2人に会えますように。 「葛藤」を突き抜けた怜が、どんな素敵な男性になっているのか、今から楽しみでなりません。 素敵な作品でした。ありがとうございました。
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柴谷さん、今回も私のお話を深く読み込んでくださってありがとうございます! ”怜の葛藤と煩悶と苦悩” --- 葛藤する男性の描写が素晴らしい柴谷さんにこのお話が気に入ってもらえたのが、何よりうれしいです。葛藤男子、好きですものね、私たち! (^^) ”よき人たち” --- そうなんですよ、私のお話には徹底的に嫌な奴が出てこないんです。この辺は書き手としてはどうなのよと思うことはあるんですが。またエッセイででも、この件には触れたいなと思います。 単なる恋愛の話にとどまらず、自分のこの先の道について迷っていた理佐がやりたいことを見出し、家族というものに絶望していた怜が、希望を見出す…そういう、
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星奈さん、わざわざコメントいただいて、ありがとうございます。 素敵な作品に恥ずかしくないレビューを書きたかったのですが「葛藤男子」好きすぎて、逆に難しかったです。喜んでくださったなら嬉しいです。 「よき人たち」も私は好きです。実を言うと私の作品にも悪人は出てきていません(笑)。たぶん書けないのですね。 続きも楽しみにしています。
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