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魔法使いの男
宮崎亀雄(゚Д゚)y─┛~~
2017/12/4 8:55
記憶の話という事で、示される記憶から何が表現されるかが作品の主題なのだろうと読みすすめました。 最初の謎は現実世界、すなわち読者の暮らす世界が舞台。 そこへ架空世界からの来訪者の話をどの様に処理するかに興味が向けられます。 主人公の記憶は他者に操作されたもの、その犯人は刑事、刑事は魔王となる。 この辺りから科学的証明・現実(とされるもの)と架空との境目が曖昧になります。 上手いですね。 なので、この時点で語りは信頼できない語り手となる。 実は現実世界の部分から違和感は感じていました。 それらも含め、その不確実な世界にどの様な説得力を与えられるかが作品の目標になります。 そこで作品は二重(多重)世界である事を語りが確定した上で主人公と魔王の対峙を 二つの世界の生き残りをかけた戦いに位置づけます。 しかしまたそれらも曖昧になる。 (私と俺の混同は誤字かもしれません)エイドリアンと魔王の混同 医者と患者の混同 混沌の怪物を倒した勇者と言う名の怪物化 これらはあらかじめ予定されていた事ですね。 マシャドバを神と信じ崇めてしまう所で既に暗示されている。 ネタバレしてしまいますので以下自重。 この作品は記憶という不確かな現実と、事実として語られる現実の曖昧さを滑稽に描いた作品なのでしょう。 かなりレベルの高い作品に感じました。 エブリスタでこの手の作品に出会えるとは思ってもいませんでした。 面白かったです。ありがとうございました。
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