藤白 圭

読後、まず思ったのは、 「君にとどけ」 まさにこのタイトルが相応しい物語。 多感な年頃というのは、どんな子でも自分自身に何かしらコンプレックスを持ち、それを隠したり、それが気になって、うまくコミュニケーションがとれなくなったり、逆に荒れたりするもの。 けれど、誰かとの出会い、何かのキッカケでそれは払拭され、人は自信を取り戻し、前向きになれるものだという力強いエールに溢れた、とても心に残る話でした。 「52」の話も興味深かったです。 52のクジラと自分を重ね合わせた主人公は、きっと、52が本当は何を求めているのかを理解し、彼女もまた、同じ気持ちだったんだろうなぁと思いました。 「大きな群れ」を求めているのではなく、「たった一人。自分の大切な誰かにこの声が届け……」という、静かだけれど、諦めない熱い想い。 きっと、この作品を読んだ多くの人は、勇気と希望を得たんじゃないかなぁと思います。 ちなみに、南海電鉄は、貝塚にいる友人や、住吉大社に行く時以外は殆どといっていいほど使わないのですが、この物語を読んで、主人公や清田先生が一緒に見た「海」へ行ってみたいとも思いました。 (ちなみに、この作品を読んだ後、南海電鉄の路線図を見て、「ここに行きたい」「あそこに行きたい」と、ワクワクしながら、南海電鉄を巡る旅を計画したのはここだけの話です) 一人の女学生の心の成長と純愛を描いた素敵な作品。 心が温かくなりました。 素敵な作品に感謝です!
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うわ~~~、快紗瑠さん、このSSにこんなに素敵なレビューを戴けるとは( ;∀;) お忙しいのに、本当にありがとうございます。 ストレートすぎてちょっと気恥ずかしいかなと思ったタイトルだったのですが、そう言ってもらえて安心しました。(ほんと、純愛もの慣れしてなくて><) そう、コンプレックス。 他人には「え。それがコンプレックス?」って思われるような事でも、思春期には本当に悩んだりいじけてしまったり。人格を歪めてしまうほど大きな壁だったりするんですよね>< そんな時期に、こんな出会いがあったら………と。(私にも欲しかったぞ、出会い~) そして、52のエピソードに重ねられた、香澄の想いも、す

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