【コメント】

どうかしている

読了後、とにもかくにも後味の悪い想いを抱きましたが、この作品の平易な文章と物語の展開、そして根底に流れる情念には驚かされました。最後まで読ませられる物語の吸引力がありました。「願わくばハッピーエンドを」という想いを見事に打ち砕かれ、黒幕が独白する哲学はサイコパス的で気味が悪く、希望はどこにも見当たらない。そして最後に待ち受けるのは、いくつかの想像の余地を残した結び。『どうかしている』のはだれなのでしょうか。好嫌分かれる作品だと想いますが、好きな人はとことんハマる作品かもしれません。

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