【コメント】

魔法使いの男

文学的発想を、哲学的思想を異世界ファンタジーに落とし込んだ作品。記憶の不確実性や世界を観測する意識などを表現する為に作られたのか？と思いました。マシャドバが無差別殺人を犯していた事や意識体として人を転々とする魔王。その関係を序盤からフラグとして組み上げられていたのは流石でした。現実世界で始まり現実世界で終わる短編作品の為、結末としては犯人の精神異常だったのか、本当に世界を行き来して記憶が混乱しているのかは分かりませんでした。しかし「読者に考えてもらう」ということを目的とした作品としては完成した物語だと評価します。