二瀬幸三郎

二瀬幸三郎です。 拝読させていただきました。 前回の伝奇物語とは打って変わり、今回は人と人との戦…… しかもそれは、野望のみが先行する、海を隔てた望まざる戦…… 鬼も静まり、ようやく絆を結び、名実ともに夫婦となった隼人と藤音、後は伊織と桜花が結ばれるだけとなった、平穏な九条家、そして草薙の地を訪れたのは、隼人の従兄弟にして、帝の流れを汲む柊蘇芳…… その[問題児]が草薙の地にもたらしたのは、ちょっとした混乱と、羅紗国侵攻の知らせ…… 羅紗の地を求めた野心が、帝のものなのか、それとも、蘇芳のものなのかは、今となっては解りませんが、もし、かの従兄弟によるものであれば、一見、その立場故に不自由なき身ありながら、実は何も望むものが手に入らないもどかしさが生んだ、歪んだ欲求だったのでしょうか…… 海向こうへの旅立ちが、このような望まぬ形で起きてしまった隼人の心境や如何に…… 戦に巻き込まれながらも、自らの信念を貫き、不要な争いを避け、計らずとも敵となってしまった羅紗の兵をも埋葬する隼人……そんな夫の帰りをただ待つのではなく、自らも帰還した負傷兵の救済に奮闘する藤音…… 離れていても尚、強く結ばれる二人の絆が奇跡を呼んだのか、それは阿梨、白瑛など、新たな人との絆と作り、やがて生まれ来る命が、二人の再会、そして良き未来を予想させてくれます。 まあ、正直、藤音ご懐妊の報を見た時、一瞬、ヤな予感もしたのは、ここだけの話……w さて、気になるのは、この出兵で半ばうやむやになった伊織と桜花の今後と、失脚した蘇防の動向でしょうか…… それは、何時か氏がきっと、続きを書いてくださるでしょう(←無茶振りw) 本篇を読んでいて過ぎるものは、〈朝鮮出兵〉でしたが、後書きを拝見して納得しました。 あのお猿さん(もしくは剥げネズミ)が耄碌(諸説有り)してあんな戦を起こさなければ、双方に悲劇はなく、また、豊臣の世も、もう少し長く続いたでしょうに…… 自分も、物語では戦いを描いておりますが、望むならば、それが空想の中だけで留まる世の中になって欲しいものです。
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二瀬さん   私にはもったいないくらいの素晴らしいレビューをありがとうございました!   その後の伊織と桜花の物語は頭の中にはあるのですが、まだプロットもきちんと書き出していない状態なので、かなり先になるかと思われます。  ようやく念願かなって祝言を上げた二人。しかし甘いはずの新婚生活には次々と邪魔が入り、さらには九条家のお家騒動に巻き込まれ、命まで狙われる羽目に……。  うーん、プロットもなしに勢いで書き出す気持ちがわかる気がします。  「羅紗情歌」のあとがき追伸にも書きましたが、今は阿梨をメインにした短編の番外編を考えています。  でもこちらもプロットから始めないといけないので、ま
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