【コメント】

天国の恋

死という重い内容に彩が添えられ、儚く切なく、胸が締め付けられました。明るい雰囲気を出しているからこそ、余計に心へと響くのですね。ラストの一文は、心に穴が空いたような錯覚を受けました。最後の最後まで、聖子さんは聖子さんでしたね。あの明るさを、イタズラを、強さを、笑顔を、天国まで持っていくのだろうなあ。いつまでもウジウジするなって言ってそうです。そして、一つ一つの細かな部分は特に秀逸でした。たとえば、魂が戻って来るのかと考えているところ。人は最愛の人に、いつまでもそばに居て欲しいと願います。それが、例え魂だけになったとしても。そんな辛く苦しい感情が痛い程に伝わってきました。他にも、弔辞の部分は勿論のこと、弔辞を頼む際や病院の一場面、その後に病院へと行かなかった理由なども一つ一つが心に残ります。もっと話していれば何か変わったのだろうか？　後の祭りと分かっていても、その気持ちは十分に伝わります。面白かったです。物語に惹き込まれるとは、まさにこのこと。目が離せなくなるレベルの高い作品です！

・1件・1件

松本健太郎 2018/4/5 21:27

タッくんさん、こんばんは。こんなに丁寧なレビューをいただけるなんて……感動しています。ありがとうございます！あってはならないことですが、この作品にはモデルがいます。その方は若くして亡くなりました。新婚生活がはじまったばかりなのに……本当に悔やまれます。葬儀会社の人間が、共に過ごした仲間の葬儀を行う。集まった者も式を進行する側も、皆知り合いです。どんな気持ちなのでしょうか。私も参列しましたが、身をもっても想像できるものではありませんでした。あの日聞いた、男性社員の弔辞。今も耳に残っています。泣きながら読んでいました。つい最近まで、隣で笑い合った人がいない。その