加藤みゆき

平成から今まさに時代が変わろうとする今、 熱情持って、己の信念を貫き通した番組作りを行うテレビプロデューサーの物語。 遅れましたが、 NovelJam×エブリスタ「裏 NovelJam 2018」 オンラインコンテスト優秀賞、おめでとうございます。 何も知らずに読んだのですが、読後にふと、 「老兵は死なず、ただ消えて行くのみ」 の言葉が浮かびました。 時代が彼を必要とし、また時代が彼を切り捨てる。 その現実を、淡々と潔く受け入れる。 相方が亡くなったことを切っ掛けに、芸能界を引退した 天才芸人の片割れ、森本。 彼とビールを酌み交わしながら、己の運命と重ねていく。 特に感情の起伏を書くわけでもなく、目を見張る事件があるわけでもないのに、 ストーリーの奥深さに嘆息させられました。 職業系小説をうたいながら、人生への矜持を感じさせる。 何度も読み返したいお話です。 ラストのふてぶてしい足掻きが、男らしくてとても好きです。
2件

この投稿に対するコメントはありません