どこかの国の傀儡政権の揶揄が籠められているのだろうか、と読みはじめました。しかし、この物語のモデルになった国はなさそうですね。科学技術や資本経済とはまったく無縁の国で、人が人本来の道を歩む、作者さんはある意味理想の国家を創造しようとされたのかもしれませんね。 そんな国を舞台に、権力の座を奪おうとする者が謀反を起こそうとするが……。 気品ある文体がこの小説の世界観とぴったりで、ぬめっとした闇の中で登場人物たちが蠢く雰囲気がとても良いです。 エンディングは意外にも爽やかな印象を与えてくれるのが(あくまでも個人の感想です)斬新でした。 長編になってもおかしくない話なので、もし折があれば挑戦してほしい作品でした。
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ご感想ありがとうございます! モデルになった国……は、確かにないですね。地球のどこか隔絶された秘境に、こんな少数民族の国もあるのではと空想しました。特に理想を描いたつもりはありませんが、自己完結した非文明社会というのはそれだけである種の桃源郷と言えるかもしれません。 ミイラと少女の結婚という一見グロテスクな話ですけれども、一応は善男善女のカップルであり、運命に翻弄されても最終的には幸せになってほしいという親心がエンディングに表れたようです。爽やかというのは予想外でしたが、うれしく思いました。 たくさんのスター、大変励みになりました。改めまして、心より感謝申し上げます。

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