伝承話『小栗判官』を下敷きに、小学生同士の純な恋愛をていねいに綴った本作。  まずはポプラ社 ピュアラブ小説大賞の優秀作品おめでとうございます!  主人公の香蘭は、幼い頃、従兄弟の早矢と遊んでいるときに彼のした“あること”が原因で、憑き物つきになってしまっている。  それが元凶となって、大昔、熊野本宮への参詣を目指し、志しなかばで挫折した人々の霊が顕現するようになる。  彼らが現れるときまって気分が悪くなる彼女はしかし、病気というわけではもちろんなく、彼らが消えたあとはいたって普通なため、クラスメイトからは仮病を使ってズルをしている〝ズル姫〟(早矢命名)と呼ばれてしまっている。  誰にも理解されず孤独な日々を送っていた香蘭は、『小栗判官』好きの転校生、有若宝と出会い、ようやく独りぼっちの毎日から救われる。そうして二人は惹かれ合うようになるのだが……  憑き物つきや霊や閻魔様との契約や。  小栗判官と照手姫の一途な恋物語を、孤独な少女香蘭と、彼女に恋をし、助けてあげたいと願いながら同時にライバル(早矢)に負けたくないと勢いあまってしまう少年宝の恋心になぞらえ、そのうえにさらに、当時とても過酷だった熊野詣とそれにまつわる狼伝説も加味して、かくして一筋縄ではいかない新感覚の児童文学が誕生した。  ラブとホラーの合体は何と表現すればいいのだろうか?  これからこの物語を読もうとする方は、ぜひともショートバージョン(オリジナル)から読み進めて欲しい。  同じ話を二回読むのは億劫? まぁそう言わずに(笑)  ショートバージョン(オリジナル)を読んでからロングバージョンを読むと、餓鬼阿弥になってしまう宝くんのキャラクター造形がかなり違っていることに気づくはず。  それによって彼の行動がより身近に感じられ、物語がより引き締まったように感じられることだろう。  キャラ造形に少し手を加えるだけでこんなに変わるものなのかと、大変勉強になること請け合いである。  ショートバージョンが今後非公開になる可能性もあるので、その前にぜひ^^
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ことりちゃ~ん(ノД`)・゜・。 丁寧なレビューありがとう~!! 「がきあみ」はひっそりと埋もれまくっている小説だから、とてもうれしいです(≧▽≦) ことりちゃんにあらすじや概要を書いてもらったら、すごくいい小説のように見えてきました(≧▽≦) 確かに、ことりちゃんに説明してもらったとおりの小説が書きたかったんです。書けてるかはナゾですが…(>_<) ロングバージョンのほうを気に入ってくれて、よかった! 同じ話なのに読み直してくれてありがとう(≧▽≦) でも、褒めてもらえて、直したかいがありました!! そうか! ショートを非公開にする手もあったんだ!!Σ(゚Д゚) そのうち、す
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くまちゃん、こんばんは! 要領得ないレビューですみませぬ。 バージョン違いを両方読んで、その違いを感じとって欲しいというのが一番言いたかったのです^^ キャラで悩んでいる人にはすごく役に立つと思うから。 え、非公開……やめてあげて?(笑) ※『妖精さん』の空気がどんどん不穏になっていく……どうなってしまうんだろう(-"-;A
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