煙草の煙を見る度に甦って来る、文字通り『ほろ苦い失恋の記憶』。 『時の流れは人を変えてしまう』と申しますが、 いやぁ。これは切ないですね。 作者様が紡ぎだす言の葉がある意味リズミカルで安定していて大変感心致しました。 それに主人公の心の揺らぎ、移ろいといった心理描写が物凄く巧みで上手いです! しかし、何か二人の間に『ボタンの掛け違い』『お互いの心のすれ違い』が有るような気がしてなりません。 主人公は直接、相手の男性に正式な告白をしていませんし、男性の方も主人公の事をどう思っているのかはっきりとは言わず仕舞いに終わっています。 お互いがもう一歩だけ前に踏み出せば、また別の展開が待っていたような気がします。 でも…得てして、今作のようなケースの方が現実には多いのかもしれませんね。 切なくて、しかし深い余韻が残る大変秀逸な作品です。 ご拝読させて頂き、本当にありがとうございました!!

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