未知春生

「ぬばたま」とは、夜や髪にかかる枕詞で、黒く光沢のあるヒオウギの実のことです。 四条の大納言の娘・美しい中の君は、幼き頃より鬼に見初められ、めくるめく不可思議な出来事が、闇の中で起こります。 ぬばたまの闇の中、銀の鱗粉をこぼしながら舞う胡蝶。美しい唐猫。 姫君の額にかかる、ぬばたまの髪。 新月の夜中に姫君を訪れた、銀の衣の童。 黒い色が、実に艶美に描かれます。そして、その黒の中に浮かび上がる幻想的なシーン。 やがて姫君は入内前に連れ去られます。その鬼と子を成し、願わくば来世も結ばれたいと、後に訪ねてきた兄君に語ります。 ここで描かれるぬばたまの黒は、すべての色を内包するような艶めかしさがあります。 短編ながら、魅惑的なストーリーと、ぞくぞくするようなエロチシズムを感じる作品でした。 すばらしい。儀助さんもびっくり、こういう世界もお持ちなのですね。 どうもありがとうございました。
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こんばんは! 儀助さんの時に続き、またまた素晴らしいレビューありがとうございます。 そうです、異形と子をなすと言う浅ましいマネをした高貴の姫君がなお異形の鬼を恋い慕い身もだえるという「ぞくぞくするようなエロチシズム」を狙ったのですが、あまりうまくいかなかったように思っていました。 本当は四条の君を出家させたくなかったのですが、横川に何年も俗世の女が住んでいるのもよくないかと思って出家させてしまいました。 儀助氏曰く「鬼がぁ~おれ、見だごとねぇぞ。       お、熊だらある。どっちおっかねぇべ。」 最近あちこちよく出ますよね。クマ。
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烏丸様、 儀助さんに出てこられるとついテンションが上がってしまいます(≧▽≦) もうゾクゾクしましたよ。 高貴で純粋で清らかなものが穢されるエロチシズムはたまらないですね。異形と契って子を成す。これだけでもう直接的な描写よりかはるかに妄想が掻き立てられます(変態…) 一方でこれを純愛とも呼ぶのかもしれませんが。 こういう平安のお話って、官能も純愛もみんなまぜこぜになってる混沌さ加減が好きなのです。もっと長いものも読みたいので、是非よろしくお願いいたします。 熊、この辺でも出回ってます。怖いですね… 子野日や愛冠に行く時はスプレーを必ず携帯します。 キツネや鹿は見飽きましたが、4年前に東京から
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