橘 実来

「終着駅の恋人」拝読させていただきました。 あきづきさんの作品に共通する柔らかな語り口、丁寧な人物描写、しっかりした輪郭をもったストーリー構成は、こちらの短編でもやっぱり健在! 読者をぐいぐいあきづきワールドに引き込んでいきます。 こちらの作品は妄コン参加作品で『目が覚めるとそこには……。』というお題縛りがあって、それに沿った形で、終着駅で目覚めた男女二人の一夜の顛末、二人の交流が書かれています。ですがそのお題縛りが全く気にならない。恐ろしくナチュラルで読者を、終着駅の寂しい夜に取り残された世界に一気に誘い、惹き付けて離しません。 しかも、登場キャラクターの二人の組み合わせの妙! 若いうちに両親を亡くしたおっとりおおらかな彼女と、なんだか色々神経質そうな彼。独身だけどこれまた彼に似ているだろう神経質そうなお母さんと同居中。いいだしにくそうに彼が語った自らのバックグラウンドに、彼の性格設定の奥行きの深さを感じましたねー。 そしてラスト、連絡先を教えあうにしても、その会話はやっぱりでこぼこ。それなのに、二人のピースはしっかりはまるのがちゃんと見えて、読者はうんうん、と頷きながら、二人のその後に想いを馳せてしまうのです。このでこぼこコンビだからこそ、読後余韻を感じらるんだよなー、と唸りました。 そのほのぼのラストに納得しつつも、先がどーなるのかよみたい! そう思ってしまうエンディング。 きっちりとストーリーの起伏があり、短編として納得の完成度にも関わらず、恋愛長編の序章のようにも読めてしまう。これってやろうと思ってもなかなかできません。長編だけではなく短編の名手でもある、あきづきさんだから書けた作品なんですよね。 ワタシも続編プリーズコールしてもいいですか?(このふたり、気になるー!) まずは短編として堪能させていただきました! 素敵な作品、ありがとうございました! 妄コンも応援していますー\(^_^)/
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美空さん まずはお返事大変遅くなり申し訳ありませんでした! そして、短編にも関わらず、とても嬉しく素敵なレビューをくださりありがとうございました! 私は作者さんへのファンレターのようにしか書けないんですが(笑) 美空さんのは、これから読んでくださる方に向けても、その小説の世界に自然に誘って下さるようなレビューで……私の小説をこんなに素敵に紹介してくださるなんて!と本当に感動でした(T_T) たくさんの過分ともいえるお褒めの言葉を頂きまして(汗)、どれもこれも『ワーイ(*´▽`*)』なんですが、お題縛りが気にならないと仰ってくださったのがとても嬉しかったです! お題に合わせることで少し
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あきづきさん♪ お忙しいのに、丁寧なレス、本当にありがとうございました(*T^T) 私こそ、拙いレビューに過分なお言葉いただいて、もうもう恐縮ですー! 因みに『恐ろしくナチュラル』は本当にそう感じました(^ー^) あきづきさんの作品はどの作品であっても、たとえお題という縛りがあったとしても、ムリがなくて、すごく自然。創作、というよりもともとそういう世界があって、あきづきさんがその世界にいってきて、切り取ってこられたような、そんな感じがしてしまうのです。コメントを拝読して、ご自身のもつ厳しい基準、フィルターを通して不自然さをしっかり濾過されているからこそ、粒ぞろいなキラキラした作品たちが誕生
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