あーる

好きすぎて、空回り遠回りをしてしまった、そんな主人公に無性に愛しさを感じます。修司の繊細な心理状況が心に直に響いてきて、再会シーンからずっと視界が滲んでいました;; 好きなもの、綺麗な景色、面白い体験をたくさん共有したい。何もかも輝いてみえる幸福感。 でも、本当に想いは対等だろうか……この恋を客観的に見る時間を持った時感じてしまった不安感。 そんな背中合わせの想いを抱えてしまった修司は、思い至る尚弥の性質を拗らせて受け取ってしまう。 直面した就職活動や仕事や生活をするということ。この現実を一人先に身をもって知ったことも、さらにふたりを遠ざけてしまったのだと感じます。 葛藤を抱き重ね距離ができてしまった月日。でも、しばらくぶりに会ってもなお変わらぬ恋心を自覚する。そこに後悔や焦れ、諦めが混じり合う修司の心の鬩ぎ合いが伝染してしまい、切なくなりポロリとしてしまいました。 彼が不在だったOB会も。尚弥にとって『価値のある』腕時計をして参加していたのでしょうね。 なのに尚弥からも連絡はしなかった。一足先に自立するため歩く修ちゃんの背中。邪魔しないよう応援しながらも、彼の葛藤を敏感に感じ、離れて行く姿を修司と同じように自分に納得させ見送ってしまったのかな……でも想いは消えることはなく、出会いの時のように、また自然と会話を交わせる機会を待っていたのかも……そう思うとOB会は大切な繋がり。だからここ一番、出かける時に、大切な腕時計をしっかり付け、鏡の前で「よし」なんて小さく呟いてる姿まで勝手に想像してしまいました。 逃げてばかりだった自分を奮い立たせ思わぬ行動を起こす修司。 それに激しい感情を露わにする尚弥。 波風もなく自然といつの間にか想いが育ち一緒に過していたあの時は、未来を一緒に歩くということなど、考えもしなかったんでしょうね。 好きすぎて、大事すぎて、居心地が良すぎて……ぶつかることや自分の想いを伝えることを無意識に避けていたのかもしれない。そしてこの日初めて感情を晒し想いを悟るふたりに、よかった!と微笑んでしまいました。 両思いの切ないすれ違い。 思い込みと意気地なしの過去にはサヨナラ。新しい明日を笑顔で過ごしていって欲しいと願います。 じんわりと切ない。柔らかくてほろ苦い。……物語に添うならば、ラテのような。読後にほっと心がほんわりするとても素敵なお話でした。
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あーるさん!! レビューありがとうございます!!  すごく嬉しいです!! 夢を諦め現実を生きることを選んだ修司と、自分を信じ夢をコツコツと追い続ける尚弥。社会人になる転機を迎え二人は違う生き方を選択する。 それぞれの選択はその人柄からくるもので、相手を考え(間違った方向だったけど)自分を分析する修司。 修司も学生の頃はなんの根拠も迷いもないまま、きっぱりとライバルに立ち向かえた。後先なんか考えないし自分に自信もあった。 でも、それは子供だったから。守られている立場で責任という重荷にまだ疎かったから。 とはいえ、社会人になったからって全てキッチリできるわけでもなくって、まだまだ青い修司はその
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時間があいての返信ですみません(;´∀`) とても濃いお返事ありがとうございました(´∇`) 何度も読み返し、深く深く、物語の本質を感じさせてもらいました。 ふたりがもし同い年なら、また違う時間が流れたのかな、とも思ってしまいました。 同時期に就職活動を始めれば、お互いの考え方や思いを身近に感じ、時にはぶつかりながらも、ふたりはきっと思いやり尊重し支えあい、一緒に乗り越えていけた気がします。 でも、悲しいかな、一年の年の差…… うんうん、そうですよね。尚弥はきっと以前通りの顔を見せながら、また会えた喜びを噛みしめ、同時に修司から伝わる迷いや戸惑いに緊張を抱えながらOB会の時間を過ごしたの
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