私がこの作品を見てもっとも気になったこと、それは、姫さまがなぜ夜景を求めたか、ということです。  この作品では、家来が身を呈して姫さまを守り、息絶えてゆくわけですが、そこにはそれぞれドラマがあるわけで、想いがあり、それが「生きる意味」に、主題につながると思われます。  語りが、姫→リーアバ→姫→大衆、と流れ、視点が移りますが、リーアバに対してあまりに、姫のうちに秘めたものがわからない。想いが不透明である。これは、姫のうちに秘めたものがそもそもない、ということによるものでしょう。そう、純粋なわけですね。  となると、姫さまが夜景を求めたのは、ただ単に純粋に「見たかったから」に他ならない、ということになります。純粋な悪魔といえましょうか、家来の死を淡々とあしらい、思いつきの世界でいちばんの夜景を一目見る、それだけを「生きる意味」とする。  対して、リーアバは旅のなかで思うところがあり、「生きる意味」を探りに探り、悩みに悩んでいるのですね。そして、最終的にその答えを姫に求めてしまう。そして、命をかけて守った姫の「わかんない」という無機質な言葉がために、リーアバは「生きる意味」を完成に見失ってしまったのですね。
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 「生きる意味」の重みの違い。これを姫とリーアバの対比を巧みに用いて表現されているのは、大変すばらしいと思います。  強いて至らぬ点を挙げるならば、視点の移り変わりがわかりづらいところです。読者に優しくない。やはり物書きたるもの、読者に優しくあるべきです。勝手に読むのだから勝手に書かせろ、というスタンスだと、いずれ読者が離れてしまいます。もちろん、その気合いも十二分に大切なのですが、せめて基本的な視点の表現はマスターすべきです。プロでも悩むところですが、頑張りましょう。  余談にはなりますが、大衆の姫や家来に対する第三者による無機質な視点、これと姫の純粋ゆえの無機質な視点。この二つの対比も
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レビューありがとうございます。 全てまさにおっしゃる通りです。 私の意図したことをここまで汲み取っていただけるのは書き手冥利につきるというものです。大変嬉しく思います。 そうですね、視点に関しては私自身としましても課題としている点ですので、これから学んで行きたいと思います。 また視点の対比に関しては、なるべく姫の視点は無邪気に自己中心的に、さらに言えば漢字を削ったりすることで、なるべく周りとの対比が大きくなるように勤めました。 感じて頂けて嬉しいです。 相互レビューということでしたので、私からも伺いたいと思います。 ありがとうございました。
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