宇南

 デジャヴ―封印された過去―、完結おめでとうございました。連載中から手に汗握って拝読しておりました。遂にここに完結し、マスカレードさんの代表作となりました!  この作品は欧州の風光明媚な現実の中での肉体の絡みと、精神世界へダイヴするという新たなコミュニケーション領域の2つの世界が描かれているお話です。  マスカレードさんは白/黒や天/地などの反転の構成を使って物語を展開していくのが得意ですが、今回はその構成を使っていません。敢えてそれらを使わなくても、充分読み応えのある作品でした。特にマスカレードさんご自身が昔住んでいらした欧州の風景がまるで目の前で香るように見えてきます。そして今回新しく挑戦された新領域である精神世界へのダイヴ。緊迫感の中で展開する新感覚のコミュニケーション。作者は以前から「分かり合う」ということをテーマに作品を書かれていましたが、本作はそれが更に深化し、新次元の強烈な「分かり合い方」をします。これはもう圧巻と言う他ありません。息をもつかせぬ展開の中で登場人物たちがこれ以上無く分かり合う。これです。これこそが小説の醍醐味と言えるでしょう。  執筆中マスカレードさんは「切ない話を書きたい」とおっしゃられていました。この物語の途中、登場人物が死にそうになったり離れ離れになったりする所は確かに切ないです。だけど、マスカレードさんは登場人物を絶対にないがしろにしない人なので(私はそこを尊敬申し上げているのですが)、安心して読める。すなわち、本当には切なくならないんですよね。結局「究極の切ない」というのは「完全な別れ」とか「完全な挫折」による喪失感であって、それを描きたい場合は、手っ取り早く言えば「死」を描けばいいんですよね。世界の中心で愛を叫ぶのはいいけどヒロイン死んじゃうじゃん、とか、肝臓食べたいとか言ってヒロイン死んじゃうじゃん、みたいな、死によって切なさを描くみたいな話。そういう話ってベタな展開でも切ないんですよね。  で、そうしない所がマスカレードさんの良い所だと思います!!というのがこの文章の結論なんですが。  ますますファンになりました。  次回作が今から楽しみです。  がんばってください。 宇南拝
・5件
宇南さま 何とお礼を申し上げていいか。感激しています。 こんな風に、もったいないくらいのレビューを頂けるとは思ってもいず、 感動してパソコンの前で固まってしまいました。 この作品は宇南さんのアドバイスを受けて完成したようなものなので (まだ削る余地はあると思いますが・・・)その双方でお礼を申し上げます。 本当にありがとうございました。  宇南さんのご期待に沿える様、精進して頑張りますので どうぞこれからも、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
4件
レビュー、一生懸命書かせていただきました。作品が傑作でしたので私などが書かせていただくのは僭越の極みでございまして、他のファンの皆様に申し訳なく思っております。 ところで、このレビューにも千字制限があるのをご存知でしたか。私は知りませんでした。昨晩アップロードしようとして「文字数オーバー」となり気付きました。もっといろいろ考察したんですけど。悔し。 という訳で次回から千字以内で感想書かせていただきます。 今後ともよろしくお願いいたします。 がんばってください。 宇南拝
3件

/1ページ

1件