雪翅

完結、おめでとうございますっ! 長い間、お疲れ様でした(*・ω・) 妖しい美貌と力を宿し、人々に恐れられる小菊。 小菊の息子・秋人と、その友人・和貴。 亡くなった友の死の真相を探るべく村へやって来た飛田。 彼らが軸となり、様々な視点から進んでいく、ヒューマンドラマのような、ミステリーのような、ホラー。 “鬼”の伝承に踊らされる村は、その実、“鬼”を作り出す村だった。最後まで読み終えると、そんな印象が強くこびりつきました。 “皆が言うから”。 その言葉には、どんな行為も正当化させてしまう不思議な力がある。それが正義だと、誰も疑わない。 決してそうではないのに。 けれど、私も弱い人間だから、彼らを責め切れませんでした。 同じ立場なら、集団に流されず、自分とは違う力を持つ特異な存在を受け止め切れたかどうかわからない。そうやって、意識しなければ無害だった誰かを、傷付けてしまったかもしれない。 そうやって傷付けられた方が憎しみを持つのは当然で、感情をぶつけてしまうことだってあって……その憎しみと恐怖の連鎖が恐ろしくて、そしてあまりにも悲しすぎました。 だけどその中で、秋人だけはずっと、その全てを許そうとしていたのかもしれない。 大切な人達だけを想うことで、村に渦巻く連鎖を終わらせようとしたのかもしれない。 最後に残された赤い組紐。 あれが綺麗に残されていたことは、奇跡ではなく、秋人の意思だったように思えてなりません。そのことに涙が止まりませんでした。 純粋だった友への後悔に涙を流す少年と、傷付きながらも誰かに憎しみをぶつけることを抑えてきた強く繊細な少年だけは、これ以上、誰にも傷付けられることがありませんように。 感情を揺さぶられ、人のエゴを突きつけられ、とても読みごたえのある作品でした。 この作品と出逢わせてくれて、ありがとうございました。
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雪翅さん、最後まで、この長い物語にお付き合いくださって、本当にありがとうございました! そして、こんな素敵なレビューをいただいて、胸が熱くなりました。 この物語を書くにあたり、いろんな想いを詰め込んでみたのですが、作者がそれを押し付けるのではなく、俯瞰で見た、ひとつのドキュメンタリーとして、読者様にはいろんなことを想ってもらえたらいいなと感じました。 雪翅さんは、そうする中でも私が感じてほしいと思った事柄、その想いを全て受けとめてくださいました。 どちらが善でどちらが悪とかではないのに、起きてしまう悲劇。生き物の性は、仕方のない事なのかもしれません。でもその中で、必死に生きる子供たちの純真が
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