環 旅斗

とにかく恐いです。 その怖さの原因が、怪物でも悪魔でも獣でもない。 そう、いつ誰に降りかかってもおかしくない。日常に起こり得る、その恐怖……。 超常現象や摩訶不思議な世界など描かなくたって、これほどの怖さが醸し出せるのだ、と改めて思い知りました。 更に、人間の闇を呼び起こすのは社会の歪みでもあり、そこを変えていかなければ、このような出来事は起こり得るし、そして続く。そんな恐ろしさも感じさせる……。 この物語は、ホラーであり、サスペンスであるとともに、まさに上質な社会派ミステリーでもあると感じました。 読み終えた後、恐怖を感じさせるだけでなく、何かを考えさせてくれる。更に切なさや感動も……そこは本当に、まっきーさんの作品ならではです。 さて、ここからはネタバレ注意です。 この先は、未読の方は見ないでくださいね。 ラストは涙をこらえきれませんでした。 多重人格というと何かとマイナスにとらわれがちですが……。 しかし、綾とレイコ……この2つの人格、そしてその関係は、けしてマイナスではない。 レイコにありがとうと言った広志の気持ちが胸に染み、よくわかります。 綾が一日でも早く戻ってくること、広志とともに幸せに歩んでいけることを、心から祈りたいです。 素晴らしい作品を、ありがとうございました。
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早速の心にしみるレビューをありがとうございました<(_ _)> さすがのhideさんのレビューに脱帽いたします。僕の伝えたかった意図をくみ取って頂き、見事に文字で表現してもらいました。そうなんです、この作品のポイントは社会の歪みが病気を生み出し、本来であれば被る必要のない被害者を生み出している現実なんです。 西洋で言われている例えに「First Blood(最初の血)」という言葉があります。結果や事象には最初の原因があるというものです。この物語の登場人物である広志、綾、珠樹の3人はそれぞれが被害者です。犯罪にはその原因が同じように存在する被害の連鎖の話でした。犯罪を一概に否定、
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わぁっ! 本当だ。 評価、付け忘れていました。 今、付け直しました。失礼しました。 大丈夫だと思うんですが、確認してみてください。 すいません(_ _)
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