橘 実来

月下美人の薫りに包まれてしまうよう
作者寺島さんが『とても気に入ってるのに人気ない作品』と嘆く本作。私は知っています。寺島さんがそういう作品は他の人気作品に負けないくらい美味しい芳醇なエキスがたっぷり詰まっていることに。 まずタイトル『月下美人』で、もう喉が鳴りました。月下美人は年に1度だけ(うまくいけば数度)満月や新月の夜に花開く美しい花。そして咲く前に、甘い甘い薫りを漂わせる。その月下美人がタイトルについているだけでぞくぞく。ましてや書き手は寺島かなた。どんな艶っぽいストーリーなんだろうと逸るココロを抑えて読み出しました。 ストーリーは主人公男子高校生リョーマと学年一の美少女月下咲夜がやりまくっている。そんな噂がたっている教室からはじまります。その噂の原因にはある秘密があり、そこがストーリーの要となってきます。 まず驚いたのが、語りがリョーマの一人称であること。月下美人というタイトルから、かなり雰囲気のあるムーディーな語り口をイメージしていたのですが、予想をがっつり裏切られました。男子高校生らしい、さばさばした語り口! だけど読み進めるうちにそんな口調に見え隠れする、咲夜への秘めた好意が、より効果的にうきあがっていきます。 そして、なんといってもクライマックス、月下美人が”咲く”シーンはもう、ぞくぞくが最高潮に! 詳細は本作を読んで味わっていただきたいので省きますが、甘い薫りが脳内に広がって、リョーマと一緒に妖しいほど美しい花びらに包まれていくような感覚。直接的な表現はそれほどないのに、めちゃくちゃ色っぽい。押されたらヤバイスイッチをそっと押されてしまった感じです。 エンディングのちょっと小悪魔な咲夜の言葉も、ほんの少し切なく、甘くやさしい余韻。 こんな作品があまり読まれないのは勿体ない。ぜひぜひこの芳醇な月下美人の薫りを感じてほしい。そんな風に切に思ってしまう『月下美人』ぜひおためしあれ。
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まずは、すっかり埃を被っていたこの作品を手に取ってくれて、本当にありがとうございます。 タイトル、褒められて嬉しい♪ 実はストーリーよりも先にタイトルを決めました。 そっか、普通はムーディなものを想像するのか、ごめん笑 実はこの話、かなり最後の方まで主人公の「好き」って言葉を封印してます。 好きを封印して、尚かつ天邪鬼なことばっか言ってて、主人公の気持ちが読者さんに伝わるのか不安でしたが、ちゃんと気持ちが見え隠れしててよかった! 月下美人が咲くシーンは、賛否両論あるのかなーって思います。 あそこで咲くのが私の恋愛観だし青春観だし美学だから、ゾクゾクしてもらえて安心しましたー! 拙い作品
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美空ちゃん! 手に取りたくなるキラキラでドキドキな作品紹介、素晴らし~いヾ(≧∇≦)
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花ちゃん、ありがとー♪ ほめてもらえて照れ(///ω///)♪

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