歴史に”今”を学ぶ時間の旅を
目にしていないものは感じれないし、知らなければなんの感慨も湧かない。 古い白黒の写真を興味なさげに眺める主人公の元に、1人の老紳士が現れる。 彼は言った。 「行こう! 百年の歴史の旅へ!」 読めばあなたも、数ある歴史を丁寧に積み重ねた上にある”今”に気がつける。 以下感想です。※ネタバレを含みます※ 橘真道さんはじめまして。 遅くなりましたが、拝読いたしました。 タイムスリップもので歴史をふんだんにあしらった話をここまで短くきれいにまとめるとは、大変感服いたしました。 情景描写や台詞は必要最低限に抑えられ、代わりに災害や事件の子細に軽く触れられているのはとてもありがたいです。名前を知っていても、具体的な影響などは知らない、という読者の気を散らさずに済みますので。 書き口については文字数制限もあり、シンプルで難しい言葉もつかない非常に読みやすい文章だと思いました。欲を言えば、関東大震災のシーンにはもう少し臨場感が欲しいような気もしますが、このままでも十分に伝わってきますのでそのままでもいいかと。 現状に鬱屈を感じてばかりの主人公が、時間の旅の中で会社の歴史や父の苦悩を知り、仕事や会社に対する思いを強く改めるという内容は、起承転結や動機付けがしっかりされていてとても綺麗にまとめられていると思います。 オチに使う”令和”についても、明治、大正、昭和、と時間旅行した後の平成での改元発表と、紙幣の変更など時事ネタを上手に取り扱われています。 主人公と共に歴史の積み重ねを学べる、とてもよい作品だと思います。 参加ありがとうございました!
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レビューありがとうございます! ご指摘の通り、やはり臨場感が足りませんね。 規定文字数に対し選んだテーマが大きかったため、内心8000字に入り切るかビビリながら書いたのでかなりシンプルな文章になってしまいました。 感想を活かし、次は更に上を目指そうと思います。 ありがとうございました!

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