夏屋 銀治

美しく巧みな情景描写
 はじめまして。「急上昇」カテゴリーでこの作品を見つけ、拝読しに伺いました。  とても洗練された情景描写が冒頭から展開されて、すぐに物語の世界に私までも引き込んでくれました。その描写は、主人公や女の子の心情や場の空気までも含んでおり、読者の想像力を掻き立てる秀逸な地の文として成立していると感じました。  これほどの多くの要素を地の分で表現しようとすると、くどかったり、冗長したりするものだと思うのですが、この作品の場合は、無駄な描写を一切排した“澄んだ”文で構成されていて、すんなりと退屈せずに読み切ることができました。主人公の目や心を通るうちに濾過された湧水のような描写でした。  場面転換も巧みで、特に暗闇から突然に警官が現れる場面は、心揺さぶられました。「警官」という二人にとって異質な敵としての存在が、電車のライトで浮かび上がる「影」と言う形で不気味に登場するシーンは、この作品の重要な転換点です。  幸せを「シアワセ」と表現することで二人とも本当の幸せを知らずに育ってきたであろうという予想が、二人で「銀河鉄道」を待つ間の束の間の幸せと対比になっていて、これも考えさせられました。  とても良い作品だと思います。きっと読者の方もどんどん増えると思います!
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夏屋銀治さん 『午前3時の銀河鉄道』を読んでいただき、ありがとうございます! 個人的に意識して描いた表現や盛り込んだ意図など、的確に読み取っていただき、また汲み取っていただき、嬉しい限りです! 今回のテーマは「没入感」でしたので、地の文での表現が勝負だと思っておりました。 おっしゃる通り、地の文で語りすぎると冗長になり飽きを起こしやすいのですが、世界観に没入してもらえれば、地の文でも先へ先へと、興味を引っ張って行けると信じ、執筆しました。 警官のシーンやシアワセの表現など、すべての意図を読み取っていただき、感謝の気持ちでいっぱいです! ありがとうございます!
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こんばんわ。ご丁寧にお返事いただきありがとうございます。他の作品もいくつか拝読しましたが、ときわさんの文章は、引き込ませるものがあってズイズイ読んでしまいます。きっと、良い意味で「他人の心のひっかきまわし方」を心得ておられるからだと勝手に思っております。今後もステキなお話をこれまた勝手に期待いたしておりますので、今後ともよろしくお願い致します!
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