吉 珠江

願われたものの純粋さと、願ったものの身勝手さ
ひめくりちゃん。かわいい。側にいて褒めてくれて、仕事の愚痴に付き合ってくれて、いつも無邪気で。ぜひ我が家に1人来て欲しい。 後半に行くにつれて、主人公・明日美の言動は、ちょっとあんまりじゃないかな、とも思った。だけど、終盤に出てくる男性のセリフ「たった百円ぽっちじゃないか」で、なるほど、と思わされた。明日美にとってひめくりちゃんは、100円ショップに並ぶ商品の1つ、くらいだったのかもしれない。 だけど最後に明日美は大切なことに気付いて、お話は気持ち良く完結した。 これは個人的な解釈ですが、逆に明日美、百円分は間違いなく、「必死」だったんだろうな、と思いました。たかが百円、されど百円。それ以上、その願いのために身を削れなかったとしても、百円分の確かな気持ちはあって、それに応えようと、無力だけれど優しい神様が来てくれた。 多分明日美は、100円を出してもらう側になって、それぞれの100円に込められた想いが、分かるようになったんじゃないかと思います。 最後までわくわくしながら読めました。 すてきなお話を、ありがとうございました。
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吉 珠江様 ひめくりのことを気に入ってくださり、大変嬉しいです。 私もひめくりのことを書いていて、楽しかったことを思い出しました。 吉さんのご感想を読んで、作者である私も、多くのことを気付かされました。 作者が書いた以上のことを受け取ってくださったのは、吉さんが深く美しい感性をお持ちだからなのでしょうね。 とてもやさしく、とても丁寧に読み取っていただけて、本当に感激です。 こんな風にあたたかく読んで下さる方がいて、心底よろこびにふるえています。 素晴らしい読者様に恵まれて、何て幸せな作品だろうと思います。 これからの大きな励みになります。 素敵なご感想を、どうもありがとうございました。
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