【コメント】彼女が求めたものは

名前泥棒

彼女が求めたものは

ネタバレしますので本文未読のかたは本文をお読みになってからご覧下さい。最初、最近流行りのヤツかなと思いながら読み始めましたが、チラリチラリと菜乃の独白の中に不穏な言葉が混じります。この言葉のフックにより小説世界にぐんと引き込まれました。実に現代的な問題を抱えた菜乃は自分に備わった能力を使って他のクラスメイトの生活を覗き見る。それを毎月１回「ご褒美の日」にやっている。悪趣味な女の子、野滑菜乃（回文）。現実を知りすぎてしまった菜乃にとって、坂上君は清らかすぎて「変態」なのだ。歪んだ部分がない変態。幼稚な変態、ママとパパと妹から愛されている変態。大人にならなくていい変態。せめてもの仕返しをした菜乃の気持ちが痛いほどわかります。ダメだ、涙が出てくる。菜乃ちゃんが欲しかったものを手に入れられてよかった。辛かった現世への執着がほどけてよかった。良作をありがとうございました。

・6件・2件

まあお 8/1 9:58

素敵なレビューに、未読の方へのご配慮までありがとうございます。流石に読みが深くていらっしゃいますね……！　彼女のかわいい仕返し、それくらいは変態くんも許してくれると思います（きっと全部ひとりでやるんでしょうね）。本当にありがとうございます。あなたに読まれて、この子たちは幸福だと思います。もちろん、私も。

・2件・1件

しのき美緒 8/1 10:14

こちらこそ、たくさんの気づきをあたえていただきました。ありがとうございます。何度も読み返しています。それほどに深く抉られる作品でした。たくさんの菜乃ちゃんたちへの供養になりますように。

・2件