どんなに他人から理解されなくても、自分にしか分からない恐怖がある
本編の登場人物は、『甲斐』と『篤』の二人。正確にはあと二人ほど名前が挙がりますが、上記二人のやり取りから互いの友好度を紐解き、尚且つ名前だけ挙がる二人の人物、『新』と『かんな』との関係性を想像するのが本作のひとつの楽しみ方と言えるでしょう。 本作を軽く読むと、一見何が怖いのかよく分からないと思います。そこは劇中敢えて丁寧に語られてはおりませんが、その代わりが篤の大袈裟にも見える怯え方なのです。 “本能の葛藤” 恐らく篤は生まれて初めてその体験をしたのでしょう。本能型の人間は、選択肢は常にひとつ。だから迷いがありません。そんな彼の心に、突如迷いが生じた。しかもなんの根拠も無く。『彼女』を恐れるのは、彼からしたらそれで十分すぎる理由だったのでしょう。だから彼をよく知る親友の甲斐からすれば、面白いを通り越して気持ちが悪い。 本作をスピンオフとした本編は、ここからいくつかの年月が経っています。最初に見た彼らの青い部分を垣間見る事が出来る本作は、私の中では『青春』タグをつけてあげたい。 おもちゃは大事に扱えば、一生モノになりますよね( *´艸`)

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