柚季蕭夏

サークルからきました。 30P付近で断念しました。 まず言い訳ではありませんが、私はファンタジー自体あまり得意ではありません(幻想文学なら好物ですが)。読者にはそういう人もいるってことです。 読みやめた理由は、序盤から魔法使いが魔法を使う描写が延々と描かれていますが、興味が全くもてない、ということです。これは恐らく「提示」と「持続感」に起因するのかもしれません。 読者の想像が介入する余地があまりない、とでもいいますか。語り手が全てを提示しすぎて起こっている状況を眺めているにすぎない、というか。 仮に、見ず知らずの人間の淡々と食事をしている状況があったとして、どのくらいの時間眺めていられるでしょうか。 作中、魔法陣から人が出てきますが、それがどうやら女らしいと把握できるまで3P使われています。でもこれ、一行でも書けます。 それから、設定は背後に控えてあったほうがいいかと。語り手が設定を説明しだすと没入感を妨げてしまうことが往々にしてあります。読者にはちょっとしたヒントだけでその世界を想像することが出来るものです。人間の脳は自分で空白を埋めるのが好きなんです。(出来ない人もいますが、それは読書経験の不足です) 断念した理由及び老婆心は以上です。 もう一つだけ老婆心を。 その世界を象徴するような素敵な直喩や隠喩があると、ハイファンタジーは雰囲気がガラリと変わる気がします。

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