タイトルは軽めだけど中身はしっかり
タイトルから、もっと軽いノリのラノベを想像してしまっていましたが、読んでみるとしっかりと質量のあるお話でした。 安心して読み進められる確かな文章力と、細やかな心理描写、興味を失わせないストーリー展開は見事です。 転生ものといっても、異世界転生ではなく、過去世の記憶を持つ女性のお話。 実は、私もいずれ何か形にしようかな…と思っていた素材だったのですが、ゆなさんの心理描写を見てほぼ満足してしまい、もう敢えて書かなくていいなと。笑 そのくらい、この立場にあるヒロインの感情の動きがしっかり表現されていて、とても良かったです。 終盤、アメリアが本心を解放して以降は、別人のように可愛くて、元々のアメリア(ユリア)から、現在のアメリア(悪役令嬢)になるまでに、彼女が経験してきた時間の重さを感じてしまいました。 想いが通じ合って良かったなー、と思っていただけに、その後のパートはちょっとショックでしたけど…。 そしてルイスがいい動きをしていますね。現状、彼の意図が読めないというか、読んでもそれすら偽りかもと思えて、油断ならなくて、この先話がどう展開し、そして終結に向かうのか、とても楽しみです。 「ーー」と「……」の多さは気にならなかったと言えば嘘になりますけど、仮にこの表記を削った場合、リズムがずいぶん変わってしまうことを考えると、ゆなさんが思い描く世界を適切に再現する手段として、アリなのではと個人的には思いました。 恐らく、もうこの後大幅に手を入れるつもりはないだろうと思うので、今後の参考までにという意味で、読んでいて気になった部分を書いておきますね。 多視点から書く弊害かもしれませんが、少し書き過ぎてしまっているのかなと思われる箇所が度々見られました。 一つ例を挙げると、アメリアがハンナにお茶をかけたシーン。アメリア視点で真相が全て明かされますが、その直後にルイスの言葉でも同じことをなぞっています。それぞれのキャラには初めて出る話でも、読者は二回同じ内容を聞くことになります。 アメリア視点では示唆だけにしておいてルイスで答え合わせするか、あるいはアメリア視点で明かして、ルイスとウィリアムの会話では軽めの推測で済ませるなど、差異を出すと繰り返しを回避できるのかなと思います。 (これは私にも相当なブーメランになっている可能性があります笑) 続きます。
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あと、ちょっと脱落仕掛けてしまったのが二ヶ所…。(すみません) これも、いち読者の心の動きの情報提供として、ご参考まで。 ひとつは、エドワードからアーサーに話している内容が、エドワードの回想として一人称で語られ始めた時。 え、こんなサブキャラが急に一人称になるの?と思い、ここからどれだけ広がっちゃうんだ…この先こういうことが度々あるのだろうか…と若干不安を覚えました。 もうひとつは、第五章。いつの誰の何かわからない話が急に始まった時。 これは、恐らくアメリアの過去世だなと推測はできるのですが、断定できるだけの材料がないので、別人の可能性もあり…。 元々視点が一定じゃない(三人称多視点+一人
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アンジェラさん、レビューありがとうございます。第一幕最後まで読み切って頂けて嬉しいです。 そしてなんと的確なご意見。全くその通りだなと思わされました。 エドワードの一人称語り、そして5章の度重なる視点の切り替え。……そう、なんですよね。今さらどうこうするつもりは全くないのですが、思い返せばエドワードの一人称語りは単なる気まぐれで、5章の視点切り替えは何というか、ミステリーっぽくなるかな?というよくわからない(こちらも)気まぐれだったような気がします。 書きすぎというのも言われてみれば確かにそうで、今でこそ気をつけてはいるのですが、序盤はその傾向が強いなーと改めて気づかされました。多視点で書
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