よく練られた設定と細やかな描写
 読ませて頂きました。よく書けています。しっかりと設定が練り込まれていることが伝わってきますし、基本的に文章は読みやすく表現力も備わっていらっしゃるようです。  主人公リアの一人称モノローグ形式の中で上手く世界観が表されており、情景が思い浮かんでくるようでした。実力のある作家さんだとお見受けします。  ですがだからこそ、書けるが故に、ついつい書いてしまう説明的な文章が多かったのが少し残念でした。というのも、例を上げれば「宝石」についての記述。作者様的には世界観を表わすのに必須なのかもしれませんが、宝石の説明があってから後、しばらく(初回の視察など)その宝石とは関係ない話が進んで行きますよね。でしたらその宝石の話は最初に書くのはやめて、その宝石がらみの話になってから詳しく書けばいいと思います。  作者は世界観を伝えようといろいろ書きたくなりますが、読んでいる側からすると、説明が多すぎて頭がパンク状態、物語に入りずらい、ということになってしまいます。ですから、引き続き読んでもらいたいと思われるなら、説明的なものはなるべく小出しにした方が賢明です。  またもう一つ例を上げると、リアに王位継承権がない為貴族に虐げられている件について。これも、虐げられているのは序盤から何となくわかるのですが、それが「王位継承権がないから」という理由であることが、少し後になってからでないと断定的に書かれていません。ほんの少しのタイムラグなのですが、この情報が出て来るまでの間にずっとその違和感が残っていて、もしこの理由が「通常の国王制で、リアが正妻との間に出来た子ではないから」等という理由ならわかるのですが、単純に「女王制だから」ということなら、伏線にするようなことでもありませんので、父親が騎士団長という描写があるところで、女王制だということくらい軽く一言説明してしまってもいいと思います。  また、最初のページで妹セラを出す必然性もないような気がします。いてもいなくても変わらない状況かなと思いますので、序盤はとにかく少しでも読者にストレスを与えないように人数は最小限に。  レビューは以上となります。本当によく書けているので、尚更展開の方に目がいってしまいました。参考程度にとどめていただければ結構です。素敵な作品でした。イベントにご参加頂きありがとうございました。  ゆな
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ゆな さま コメントありがとうございます。 まだ小説を書く歴は浅いのですがそう仰って頂いて嬉しいです。 こんなに批評を長文で頂けてありがたく思います。 この小説は公開前に7万字程友人に試読してもらい批評され加筆修正をしています。現在も2〜3万字書いたら試読してもらっています。 他の読書さんの批評はなかなか聞けませんので今回企画に参加させて頂きました。 説明部分は、加筆修正前は結構小出し気味だったのですが友人に小出しだと思い出して読み返すのが面倒だから、どこかで全部説明して欲しいという意見の元、なるべくまとめる形にしました。ご意見が小出しの方がよいという事で精査して加筆修正をしていけたらと思いま
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小出しについて 少し説明を加えさせて頂きますと、必要な箇所で必要な情報のみを提示するといい、ということです。 後で思いださなければいけないようでは、小出しにしても意味がありません。その辺り、勘違いを与えてしまっていそうでしたので、捕捉させて頂きます。
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