わらべ

ホモみたいなそんな話 彼は幼馴染だ。昔から仲が良くて、しっかりしてて、優しくて、背が高くて、それから、それから 「……こんなこと、言われたら困るってわかってるんだ。でも、お前にだけは言っておきたくて」 お互いに大人になっても相変わらず付き合いがあった。 恥ずかしくて顔に熱がともる俺を彼は真っ直ぐ見つめている。 「お願いだから、引かないで聞いてくれないか。頼むよ、お前に嫌われたら俺、生きていけない」 なんだか泣きそうな、そんな気持ちになりながら彼に迫る。彼は逃げない。顔を近づける。唇が触れそうだった。そっと彼の手を握る。 「あのね」 声が震える。 潜めた声で続ける。 まるで子供の頃の内緒話みたいだ。 「女の子を誘拐してきたんだ!」 というようなホモくさい話がみたいですね()
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幼馴染の彼は泣き虫で内気でおっとりとしてぼーっとしていて色白で小さくて、それから、それから、 「どうすんだよこれ……」 彼が誘拐してきたというのは女子中学生らしい。 「何のつもりで……まさかころしたりとか」 「ころさないよ?」 「じゃああれか、強姦か、手伝わないからな」 「まさかぁ。大人のえっちなお姉さんがいいよ」 埒があかない。 しかし彼はこのままこの女の子を解放してやる気もなさそうだ。 「ねぇねぇ」 くい、と服の裾を掴まれる。 これは昔からの彼の癖だ。 話を聞いた欲しい時、こうして呼びかける。 なんだか頭が痛い。なんなんだこの状況は。 「女の子を誘拐したら普通はどうするべきなんだろうね?

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