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敗北者
小松菜 雅楽
2020/5/31 23:29
敗者共よ。躊躇わずに、この音を聞け。
2020年2月。 ある日本のバンドが、初の海外ワンマンツアーをドイツとイギリスで行った。結果は大盛況に終わり、異国の地で大合唱が響いたとのことだ。 驚くべきはそのバンド。 なんと結成から30周年を迎えての快挙だったそうである。私はテクノの人間なのでロックは詳しく知らないが、命が短いバンドで結成から30年はご長寿なのではないかと思う。 キテレツな曲ばかりな割には70'sハードロックを踏襲した確かな演奏力。流行りの重低音とは違う重苦しくも懐かしいサウンド。 テレビで有名になったかと思えば、レコード会社から契約を切られてしまう程売れない時期も経験してきた。 此度の成功もジャンルや曲調だけに、恐らくメジャーでは花開くことはないだろう。 それでも決して曲げ続けずに生きてきた彼らの生きざまが報われた瞬間だと思うと、これ以上の成功は無いだろうと思えてくる。 ーーーーーーーーーー 正直言って、最初はいわゆる青春物のテンプレだろうなって高を括ってました。 タイトルもいかにもって感じだし、負けて踏みにじられてからの這い上がり。最後はお涙頂戴で締めなんだろうなと身勝手に思いつつも、何だかんだ言ってそういうお話って人間は好きなんだよなと思って一読。 読了後の感想はネタバレになるので控えるとしても、それでもラストには脳天ぶち抜かれたとだけは言わせて頂きたい。 本作はあるドラマーのリベンジ物語だが、これは私小説を書く我々も含めた、芸術に携わる誰しもに当てはまるメッセージを、主人公達の生きざまから強く感じられる作品である。 『敗北者』という惨めったらしい名を名乗る彼らの最後を、貴方はどう思うだろうか? 彼らの生きざまを見ても尚、所詮負け犬の戯れ言と切り捨てることができるだろうか? 読了後、よく知りもしないアーティストの曲をクソ曲だと決めつけることができるだろうか? 弱くて全然試合に勝てないファイターはさっさと引退するのが筋なのか? 全く掠りもしない自分の作品は、一辺の価値も無い駄作でしかないのか? 本当にそうなのか? 読了後の貴方に問いたい。是非一読を。
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ポラード
2020/6/1 0:03
こんばんは! こちらが脳天をぶち抜かれました。 ロックなコメント、ありがとうございます。 ○間○子の話から入ってきたので、何事かと思いました。(笑) 変拍子を使ってきたり、ずらして合わせるとか、プログレな楽曲が多かったかなと。当初は文学ロックと謳っていた記憶があります。 弾け飛んでますね。元気な小松菜さんの姿を久しぶりに見る事が出来、安心したところです。 ここまでの熱い思いを感じ取って頂き、深く感謝いたします。一度は書いてみたいと思っていた、ロックバンドものでした。 どこまでロックな内容で書けていたか不安もありましたが、その不安を払拭して頂き、ありがとうございました。 作品に駄作はありません。
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小松菜 雅楽
2020/6/1 0:21
その道の人にはやっぱり有名なのですね、人○椅○。 普段は88? 八八? 位しかロックを聴かないエレクトロニックな私ですが、たまたま海外デビューする一月前に『怪人二重面相』を聴いて凄い人達がいるもんだと思いました。まさかあんなに有名になるとは… リアルロックンローラー…はプリンス・デ○ットですが、ポラードさんも遜色なくその称号を名乗っていいと個人的には思ってます。 そのポラードさんがロック物を書いたって言うんですから、こりゃ面白くない訳がないと思いニヤリと笑ってしまいました(笑) とはいえ結末が予想外だったのは本当です。前の感想書いた方も仰られた様に、リアルに寄った前向きな良いラストだと
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