紅屋楓

人のような、人ならざるものの苦悩。
「惑乱の月」(p.1~p.7)まで拝読いたしました。 冒頭の一文目、「うねる群衆のなか」というのがいいです!単なる雑踏ではなく、なにかが起こりそうな・始まりそうな得体の知れない不気味さ、不穏な予感がします。 この冒頭部分は一章目の最後と対になっていて、後味の良い幕引きになったことも安心いたしました。 日常に潜む異能……本当にいたとしたら、こんなふうに紛れているのかもしれないななんて考えてしまいます。 細かいですが、「倦(あぐ)む」(p.4)などはルビを振っておいた方が親切かもしれません。 短いですが、内容のネタバレになりそうなのでコメント欄に続きます。
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さて、すでにいくつか伏線が散りばめられていますが、個人的に特にお上手だなあと感じたところを挙げさせていただきます。 〇3話で帯刀さんとジョーヤが人狼騒ぎの話をした後に(空行を挟んで)月彦のモノローグで「捕食されているかのようだ」と来るところがニクイですね。 傍点もなく、さらっと伏線になっています。 (と、私は感じたのですが、外してたらお恥ずかしい……) 〇ほか、5話(p.6)にてジョーヤが握るナイフの描写「月の光を引き裂いたような一閃」が、今回の題材に絡んだ表現で、舌を巻きました。 なかなか上手くまとめられませんでしたが、冒頭から引き込まれる良作でした。ありがとうございました。
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