昭島瑛子

更地から世界を構築する能力
蜜原さんの小説の魅力は世界観だと常々思っていますが、本作では特にその魅力が存分に発揮されていると思います。 「現実世界を小説用に少しアレンジするだけ」などという生易しいものではなく、何もない更地から世界を構築し、さらに細部まで作りこまれています。 それだけ世界を作り上げる方なら自分の世界の解説にかなりのページ数を割いてしまい説明の長い小説になりますが、蜜原さんはさらりとスマートに構築された世界の一部を見せてくれます。 とにかくすごい方です。今後どのような蜜原ワールドを見せてくれるのかますます楽しみです。
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昭島さん感想ありがとうございます! わたし自身は、あまり更地から構築している感覚ってないんです。もちろん、ここがこうだからここはこうしよう、みたいな計算をして構築している場合はありますが、本作品ではあまりなかったです。 しかも、2030年の9月(日付と曜日は作中のもので合っています)とか、わからないものじゃないですか、どんな世界なのか。けっこう無理矢理ですよね。そのあたり、ちょっと下手を打つと途端に台無しになるので気を遣いました。 いつも読んで下さってありがとうございます。
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SFで年代を正確に記述すると難しいですよね。その時代は後で確実にやってきますから。『夏への扉』を読んだとき、「1970年? 昔の話?」と思ってしまいましたが、執筆当時から考えれば相当な未来の話です。 更地から構築している感覚がないのにあれだけ独自の世界を描けるのは、やはりすごいです。
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