水谷遥

とても綺麗な作品でした
 全然関係ない話ですが、「COSMOS」は例の合唱曲の事で、中学の頃にあの曲には「宇宙を感じる」と読書感想文の宿題で提出し「書籍で出せ」と再提出をくらった思い出があります。  こうした主観があったので、最後に宇宙が出てきて「せやろ! みんな思ってるやん!」別に関西人では無いのに関西ノリしました。  哀愁のある文章でテンポが良く、霊である二人がとても良く立っていました。華美過剰な形容詞は多く無かったのですが、それでも二人、特に女性である桜花は美麗なのだろうと想像させ、会話のテンポも良くて、霊の二人の会話は楽しく拝読できました。短文で美しさを表現できるのはセンスですね。私にはできません。  構成的にも、脇役の二人が楽し気に会話する事で、背理的に主人公の悩みへ光を当てています。これ自体が作品目的で、最終的な終わり方にも帰結し、読後感は爽快なものとなっていました。  特に文量のバランスが良かったです。  道中、ファンタジー的に魔物が襲い掛かってくるのですが、序盤の魔物の描写をすっきりまとめる事で、最後に出てきた化物が引き立っていました。これは文量バランスで敵の強弱がついていた為で、この文量であればテーマである主人公の悩みを害する事もないので、ストーリーを追うにはとても良いバランスだったと思います。  特段して過不足の無い物語でとても楽しかったです。
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