転機
こういう切り口でクリスマスを描いた小説は、あまり無いのではないでしょうか。ある浪人生の「人生でいちばん暗い顔していた日」の物語。でも、結末が暗いストーリーではありません。冬のとある一日の素敵なお話です。 長い人生の中で、大学受験は大きな試練なのだと思います。主人公の長沢は、浪人生として迎える初めての冬を過ごしていました。 挫折に加え不安の積み重なるクリスマス。本番の受験を目前に控え、塾講師の牧場の粋な計らいで特別な一日を浪人生達は過ごします。 その一日、そして牧場の言葉の全てがこの小説の肝なのでネタバレは避けますが、浪人生は順風満帆とは言えない勉強の日々を「意味のある日々」だったと知る大切な一日だったのは間違いありません。 転機。それが人生で一番暗かった日。まるで皮肉のようで、意味深い。 物語の終盤、未来へ辿り着いた長沢は、その転機となった日を大切にしながら生きている事が読み取れます。 私はまだ受験というものを未経験ですが、いつかぶつかるであろうその試練に立ち向かい、その先の未来でそんな転機となる大切な日々を作れていればいいな、と思います。 それまでは、この作品を胸に刻んで試練に挑もう。 余談。 東北に住む私にとっては、結構知ってる街並がたくさん登場して、嬉しかったw 最後に。 個人的に、牧場先生のキャラがかなり好きですw とても面白かったです。 ありがとうございました。
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床田さん、こんにちは。 東北在住なんですね。だとすると広瀬通なんかの街並みは馴染みが深いかもしれませんね。 こういう切り口でクリスマスを描いた小説はあまりないのではという言葉は素直に嬉しいです。といいますのも、この作品は以前とあるクリスマス関連のイベントに出した作品で、 「絶対に誰も書かないようなタイプのクリスマス作品を描いてやる!」 と、オリジナリティに能力を全振りして描いた作品だからです(笑) 私自身浪人していたことがあって、そのときに出会った先生や体験したエピソードなどを再構築して作成した作品でした。 床田さんから「おすすめの1作品」とあり、候補がいくつかあってどれにするか迷った
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