ヒロアキ

ファンタジーにしかできないことがある!
 空の歌を読み終えて、仰々しくタイトルつけてみました(笑)   一人の少女を、仲間を救うために立ち上がった、少年少女たちのこれでもかというくらいに思い合う物語でした。消滅が迫る太陽、それを維持するためには一人の選ばれし人の生命が犠牲となるという、王道を地で行くような物語と展開でありながら、私がこの壮大な物語を通して改めて思い知らされたものがありました。  それが付けさせてもらったタイトルです。  途中感想でも述べていたのですが、ファンタジーは他ジャンルと比べてとにかく荒唐無稽。安易に書くと、たちどころに幼稚で、中身のない、心にも残らない鼻であしらわれるジャンルだと思っています。  でも、ファンタジーだからこそできること、と言いますか、ファンタジーじゃないと絶対こうも掘り下げられない!という特化したメッセージ力は、他ジャンルの追随を許さないと信じています。  荒唐無稽だからこそ一見恥ずかしい描写も、ストレートに伝えられる。そう思っています。  それをやってのけたのがこの「空の歌」だと思います。ファンタジーの良作は(売れる売れないでなく、誰かの心に残した)みんなこうした共通の音叉を持っていると思います。  現実では不可能な人間模様や触れ合いを堂々と描けるのがファンタジーの醍醐味ですが、それをしっかりと読者に伝えるためには、どっしりと地に根付いた世界背景、登場人物の設定、描写が必要不可欠で、もちろん空の歌はとても充実した世界観を冒頭から見せてくれて、それは手を引っ張るように語るのではなく、隣で語り聞かせるように丁寧に語ってくれました。 The hopeful gleam  上記の言葉(グリームは輝きだったんですね。北欧神話のグリームニルの詩からかと笑)で語られる二人の騎士。物語の進行と共に登場する一遍ですが、とても印象的でした。最後、相対した騎士二人は剣を下げ、そして太陽創世を見守った。この瞬間こそが希望だと。  だけど私には、これは繰り返される悲劇への序曲でした。これをどうにかしたい!そして見事覆したのが、主人公ジンレイたちでした。本当の希望を彼らは歌い上げたんです。  ジンレイは最後、かつての人々が行えなかった、あるいは踏み込めない一歩を踏み出しました。本当の希望の一歩でした。こみ上げるものがあり過ぎて感涙でした(他でも一杯泣いたけど笑)。
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続きです。  現実ではできないかもしれない、ありえないかもしれない。でも、ファンタジーって、こうやって人の心を裸にして、ありえないありえないと言われる現実に架け橋を渡してくれと思うんです。心の栄養を一杯もらえる。現実を知るんじゃなくて、明日という現実を見せくれる、そんなジャンルだと思っています。  空の歌はそれを惜しげもなくグリームランドという世界を通して、書ききってくれた作品だと思いました。  もうファンタジーで私はお腹が一杯です(笑)本当にご馳走様でした、じゃなくて、ありがとうございました!  追記  後で、キャラクターとか、一人深読みネタなんかも書き込みますね!
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ヒロアキさん 素敵な感想をありがとうございます! あまりにも素敵な感想に、最初言葉が出ず、泣きながら放心してしまいました…。゚(*´□`)゚。 でもこのまま言葉にならないままじゃいけない、私も言葉にしてお返事を書く努力をしなければ…!と、溢れ返った感謝の気持ちを僭越ながら綴らせていただこうと思います…! 『空の歌』は私にとって初めて原稿を書いた作品で、同時に新人賞に初挑戦した作品でした。 何度か落ちるうちに、「本気で欲する気持ち」「からの挫折」を体験し、同時に「友だちがいてくれることの心強さ」をやっと心から理解したのだと思います。 シェンレイが旅立ちの時に鞘を託すシーンや、アズミ・リンフ
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