あーる

それぞれの愛し方、想いの交錯に胸が熱くなる物語
まず、どこか切なさをはらむタイトルに惹かれました。キュンとしながら心のどこかがザワつくような… そして読み出せば、冒頭から脳内でシーンが映像再生されます。 悪戯な寒風がしかけた偶然の出逢い…そこからタイトルの想いに至るまでの過程、人物像に思い馳せ、彼らの紡ぐ物語へと引き込まれていきました。 彼氏の元から家出し行先もないという状況にも、気ままな雰囲気で正体不明のユウ君。その仕草、発する言葉はとても魅惑的。でも同時に気遣い上手な面も見え、どこか仮暮らしが板についているような気がして、読み進めるほどに彼の魅力に翻弄され謎めいた本質を知りたいと思ってしまいました。 主人公のヒロ君は真面目で計画的な慎重派。見ず知らずの他人を同居させるなんて本来の彼ではありえないことで。そんな彼が否定したり戸惑いながらつかみどころのないユウ君に惹かれていく様には一緒にドギマギしました。ヒロ君の慎重さにはもどかしさも感じるけれど、反面、何事にも真摯に向き合う姿はとても好感がもて、彼ならきっとユウ君という存在をしっかりとつかまえらるはずと背中を押したくなりました。 ヒロ君がユウ君に惹かれていく一方、ユウ君の気持ちはなかなか見えません。ユウ君の「好き」はどこにあるのか…その正体が明かされていく後半。ユウ君の家族だという橘さんが登場する辺りから、最初に感じた心のざわつきが大きくなっていきました。 その中でのヒロ君と橘さんの対峙は圧巻で激しく心動かされます。お互い一歩も引かない舌戦…誰もが誰かを真剣に、とても大切に想ってる。 橘さんがユウ君に向ける愛情も、ヒロ君がユウ君のことを本気で想う気持ちも、そしてユウ君の橘さんに対する信頼と情も…全てが一気に心になだれ込み涙が流れ続けました。 誰の想いが間違いで誰の想いが正しい。そんな白黒つけられない愛情の交錯が胸を突きます。 ヒロ君の胸の内に一抹の切なさをはらむ愛情が溢れ、ユウ君との未来への決意が感じられたエンディング。 最初にタイトルから感じた懇願のような想いが、読了後には決意の言葉にも感じられます。 いつか、ユウ君が心からヒロ君の腕の中が一番だよと言ってくれる日がくる。その希望に胸を熱くさせながらページを閉じました。 同僚の楠木君も橘さんも…登場人物皆に幸せになって欲しい。そう思えるそれぞれの愛情が強く感じられるとても素敵なお話でした(;▽;)
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素敵な感想レビューありがとうございます!! 冒頭のシーンひょんなことから出会ってしまう。これもまた、運命ですよね。現実的だけど、心根の優しい心配性のヒロと一見掴みどころがない地に足がついてなさげだけど、本当は自己より相手を大事にするユウならではの運命的で二人にピッタリな出会いだと思ってます☺ 『読み進めるほどに彼の魅力に翻弄され謎めいた本質を知りたい』 わーい! ヒロと一緒に夢中になってくれてすごく嬉しい! ありがとう!! 『ヒロ君の慎重さにはもどかしさも感じるけれど、反面、何事にも真摯に向き合う姿はとても好感がもて、彼ならきっとユウ君という存在をしっかりとつかまえらるはずと背中を押したく
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