その優しい嘘はこころを優しく照らしました
主人公のアコーディオン弾きの少年は、けっして恵まれてはいません。 いいえ、むしろ学校へも行けない貧しさと、目の見えない不自由さの中で、一生懸命生きています。 踊り子のマチルダは、美しく強く、気っぷのいい恰好いい女性です。 しかし彼女もまた、貧しさを知り稼ぐ辛さも身に沁みて知っているはずです。酒場で踊る踊り子の生活は、想像に難くないのですから。 マチルダは少年に出会うたび、少年が正当な稼ぎを手にできるよう、手を貸してくれます。それは彼女が少年に出会ったら、いつも出来る、彼女にとって無理のないこと。 けれど小さなことであっても、「いつも」というのは、実は大変なことです。マチルダにとって少年に親切にすることは、彼女のポケットに見えない金貨を貯めることだったのでしょう。 だからこそマチルダは少年に小さな嘘をついたのもしれません。 マチルダが『自分がしたいから、親切にしている。私もあんたに親切にすることが嬉しいんだよ』と少年に伝えたくて。 そしてマチルダが少年にくれた小さな嘘は、少年の心に自信をくれ支えてくれました。誰にも少年から奪うことのできない少年だけの金貨になって、ピカピカとこころを照らしてくれたのです。 天使が迎えに来るその時まで……。 アコーディオンの音色が似合う、しみじみとした優しい物語です。
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レビューありがとうございました。 書きたかったことがちゃんと伝わって、嬉しいです。 少年が「どうして親切にしてくれるの?」と聞いた時 マチルダは「可哀想だから」とは決していいません。 「あなたがハンサムだから」と言います。 それが嘘なのか、結構ハンサムなのかはわかりません。 同情ではなく、同じように生きている仲間として接します。 荒くれ男たちも、少年を酒場に迎え入れて(しぶしぶですが)、なけなしの小銭を与えます。 可哀想だから恵んであげるのではなく、アコーディオン弾き、音楽家としての報酬です。 彼らは決してハンサムではない(ハンサムかもしれませんが)少年を冷やかしこそすれ、特別扱いもしない
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たやすさん、丁寧な返信をありがとうございます(*´ー`*) 愛から生まれた嘘(本当にハンサムかもしれませんが)は、こんなにも優しく明るく心を照らすのだなあ、と思いました。  少年にとっては、1番大好きなお母さんとマチルダがハンサムだと言ってくれたら、それは真実です。ふたりにとってハンサムなら、顔を上げてにっこり微笑むことが出来るのですよね。 少年、マチルダ、そしてお母さん…。 それぞれの繊細な心を、文字にはせずにストーリーでそっと伝えてくれる、素晴らしい物語だと思います。 ↑ ここのところ、レビューに書けばよかった💦
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