昭島瑛子

小説とエッセイの間で
山城木緑さんは心に深く響く小説と、軽妙で愉快なエッセイの両方を書ける方です。小説とエッセイでギャップのある作家はプロにも多く、私が好きな作家にも複数いらっしゃいます。 本作は「心に深く響く小説」側の作品なのですが、エッセイやツイッターを含めた「山城木緑」という人間のファンにとっては、山城さんの人間性が垣間見える部分が多数散りばめられています。 男二人の共同生活。出かける相手を見送る「行ってら」というセリフ。エッセイファンからすると既視感があって思わずニンマリしてしまいます。 そして木下の髪を櫻井が切るシーン。魚喃キリコさんのファンである山城さんがこのシーンを書くのに『blue』を意識しなかったはずはないと思うのです。 小説とエッセイ。2つの表現方法があっても、出来事を捉えている人間は一人です。同じ出来事を小説とエッセイでどうやって異なる料理にするのか。それを見届ける楽しみが、「作家のファンになる」ということではないかと思います。
1件・1件
あぁ、もう、最高のお褒めの言葉です。魚喃キリコさんのblueの一コマを思い浮かべていただいたのならこの上ない至福なんです。まさにそうでしたから。 初めて自分を書いてみました。自分悪いところも良いところも。 そんな作品をこんなありがたい視点で感想いただけたら、ああ、書いて良いんだなと。とてもとても嬉しい気持ちになりました。 ありがとうございます☆
1件

/1ページ

1件