はーこ

傷ついた少年を照らす『太陽』
現在更新分の53ページまで拝読いたしました。 児童養護施設を舞台にしているだけあり、何と言っても、辛い。胸が苦しくなる。酷い虐待を受けた祐輔くんが『太陽の家』にやってきたばかりの冒頭シーンは、彼の深い傷が痛いほどに伝わってきました。 特に母親から受けた虐待は祐輔くんの心をも蝕んでいて、『太陽の家』で暮らすみんなが優しく迎え入れてくれても、事あるごとにトラウマが蘇り、うまく打ち解けることができない……そして、そんな自分を『悪い子』だと責める負のスパイラル。満足に食事を与えられずこっそり調味料を舐めたり、洗濯機の騒音で母親の怒りを買わないよう服を手洗いしたり、家にいると鬱陶しがられるからと公園へ行って水飲み場で空腹を満たしていたり……と、生々しい生活に絶句してしまいました。いえ、これを生活と呼んでもよいものなのかどうか。 担当職員のゆりちゃんや同い年のモトくんを始めとした『太陽の家』のみんながあたたかく見守ってくれるおかげで、ボロボロに傷ついた祐輔くんの心も次第にほどけてゆく過程を、胸にじんと来るものを感じながら1ページ1ページ読み進めていました。自分も同じような境遇であるからこそ、一番に気にかけてくれるモトくんの優しさや明るさは、祐輔くんにとってたしかな救いとなっていることでしょう。 学校にも行き始め、祐輔くんも少しずつ前へ進み始めたところですが、同じ『太陽の家』で暮らすユキちゃんの様子がおかしくなってきたことが気にかかります。保健室で寝込むユキちゃんを訪ねてきた女性のシーン、担任の先生でしょうか。祐輔くんやモトくんの担任の先生はあんなに優しい人なのに、同じ学校でこんなにも対応が違うのか……ユキちゃんの境遇を知っているなら、「いつまで逃げるの」とか「社会じゃ通用しなくなる」とか言えないはずですよね。じゃあ、「社会」って何なんでしょうか。正義なんでしょうか。正論かもしれませんが、そこに相手を思いやる想像力がなければ、それはただの言葉の暴力です。こうした発言が、個性を殺していくんだろうなぁ…… まだ上手く話すことができない祐輔くんですが、これから『太陽の家』で暮らすみんなとふれあってゆくことで、安らぎを取り戻していくのでしょう。未来ある子供たちが心から笑えるようになる日を、私も願っています。
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こんばんは。非常に丁寧な感想ありがとうございます!(´▽`) ユキちゃんの担任は恐らく唯一の悪役(?)です。 祐輔も、ユキちゃんも、みんな心に傷を抱えていますが、ゆっくりと太陽の家で癒えて行くように優しく書いていきます。 遅筆ですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。 本当にありがとうございました!
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