太い芯と、ロボットだからこその意義と
あえてネタバレ触れずにレビューしたいと思います。理由は、私と同じ体験を他の方にもして頂きたいからです。 まず、ロボットものなんて理工系からきしの私にわかるだろうか……と不安になっても大丈夫です。 ロボットと生活することで、他者と自分と相互作用のはずのコミュニケーションがいかに誤認されていると、人間ならではの問題を直視することになります。 読みながら、「私はどうだろう」と自身へ問いかけ、心の深淵を覗き込むことに……。 つまり、自分の内部へ没入し、フィクションから自分自身の物語へと変容していきます。 「コミュニケーションが苦手な人」に特化した求人の意味、訳ありな不登校中学生、金髪美女開発者(ガレージ姫の愛称が可愛い♥)、ロボットな社長(そのままの意味)などなど、散りばめらた要素が全て、一つの芯のために存在していたと繋がります。 設定やキャラクター、モチーフであるロボットの意義が繫がり、 「この気持ち、想いの為だったのか!」と唸りました!! 作者の芯が強く、ぶれない小説が私は好きです。まさにこの作品は、小説ならではの醍醐味を味わえました。 うーん、本当にやられました!!! 個人的ではありますが、海外SFの鬼才・ディックの小説を並行で読んでいて「ロボットが子供達を完璧に教育する」シーンの登場に、にやりとしました(笑) 『つくば〜』のラストで迎えるステップが、いかに大きいか思い知りました。
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未苑真哉様 盛大にお褒めいただきありがとうございます! 若干話がそれますが、私はさまざまな要素がラストでつながる連作短編や群像劇が好きです。 思えばそういった作品を書きたくて5年くらい試行錯誤していました。 『つくば〜』は連作短編でも群像劇でもないし、さまざまな要素がつながるように事前に緻密な計算をして書いた作品でもないのですが、知らぬ間に「ラストでつながる」作品になっていたのなら今までの試行錯誤も無駄ではなかったのだなと思いました。 改めまして、お読みいただき&レビューを書いていただきありがとうございましたm(_ _)m
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