にね

タイトルの意味がわかると切ない
最初に断っておくと、かなりネタバレしてます(笑)ご注意を。 とても切なく、考えさせられるお話でした。 若さゆえに無鉄砲になれることと、若さゆえに縛られてしまうこと、相反するようでいて両立するんですよね。樹生くんは、一時的な留学のためなら親にも逆らって我を押し通してみせるけれど、未来を考えたときにはすごく保守的で、情にほだされずに冷静な判断ができる。 二人に寄り添って読んできた読者の目線からすると、どうして留学のために向けられた熱意を、二人の未来にもそそげなかったのか、そこが少し残念でした。しかし愛だけでは何も生み出せないのも事実で、性別国籍以外にも、歳の差身分キャリアハンディキャップ土地のしがらみ、いろんな困難を理由に恋を諦めざるをえない人はそれこそたくさんいて、だから彼らにとってのリアルは、私たちにとってのリアル。そう考えると、樹生くんを責められないのもまた、やるせないですね。社会がそんな人たちに少しでも寄り添えるようになりますように、そう祈らざるをえません。 読ませていただきありがとうございました。
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