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とどかないクリスマスプレゼント
はやくもよいち
2021/12/23 11:31
最後に落ち着くところ
内容に関しては、すでにほかの方からレビューが出ているので、そちらをご覧いただきたい。 私は以前から、ファンシー・コウさんがよい作品を書かれているのを知っていた。だが今回、アドベントカレンダー企画で自分の作品と並べてみて、その上手さがより際立った気がする。 いわゆる美文ではない……と言うと誤解を招くかもしれないが、余計な修飾のない文章はスッキリしていて読みやすく、それでいて巧みである。 たとえば作中の「アパート」がどのような建物か、そこに住む人々はどういう人かを「大きい/小さい」、「立派な/ぼろい」などの修飾語を使わずに、「外階段」と「部屋番号」だけで読者にはっきりイメージさせる手腕など、見事というしかない。 近頃、Twitterなどで「文章の作法」という文言をよく見かける。私の目にするものは「作法など不要」と、否定的な意見が多いように見えるが、私個人としては読みやすい文章を書くには一定のやり方、つまり作法があって然るべきだと考えていた。 ファンシーさんの作品を読み、私の考えは間違いかもしれないと思った。作法に従って書かれた文章が読みやすいのではなく、美しく読みやすい文章は自ずと作法に従っている、というのが真相に思えたからだ。 こういうのを帰納法と呼ぶのだろうか? 当然の帰結、と言ったほうが無難かもしれない。 この作品のタイトルもまた、よく考えられている。ネタバレになるので書かないが、このタイトルに落ち着いたのもまた、必然であろう。 なぜなのか? は、ご自身で読んで、お確かめいただきたい。
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ファンシー・コウ
2021/12/23 12:48
レビューありがとうございます。 数年前から、なるべく形容詞を使わず、名詞と動詞を意識して記述することに注力してきました。それがようやく「形になってきた」のかなあと思います。 僕は様式美が好きなので、どうしてもこういう書き方になってしまうのです。
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はやくもよいち
2021/12/23 22:31
私も人から言われて以来、形容詞を減らしているのですが、簡潔にしてイメージしやすい表現を探り出すことはなかなか難しく感じています。長くなったり、くどくなったりしがちなので、ファンシーさんの描写には学ぶところが多く、素直に感心いたしました。 ありがとうございました。
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はやくもよいち