仁科佐和子

うまいなぁ。
サブタイトルにあるように時系列に並んだ3ヶ月をなぞるストーリーなのに、回想を挟んだ構成で全然のっぺりしていない。 ベトナムなんて行ったこともない土地なのに、織り込まれた画像をヒントに生き生きとした描写で脳内に映画のセットのように緻密な画像をむすぶことができる。 それなのに全然説明臭く感じないのは絶妙な会話と地の文のバランス。 うまいなぁ。 お父さんは花火師とか、お姉さんがイベント企画会社を立ち上げたとか、さりげなく散りばめられた伏線は綺麗に最後に回収される。 うまいなぁ。 明るい未来を想像させる気持ちのいいラストにタイトルのダヤンに降る雪が効いてくる。 やっぱりうまいなぁ。
2件

この投稿に対するコメントはありません